やはりなかった「前夜祭」の記述! 安倍事務所は公選法、政治資金規正法違反を自覚していたのか
やはり本日公開された「山口県報」に掲載された「政治団体の収支に関する報告書の要旨[平成30年分]」を確認しても、安倍首相の政治団体「安倍晋三後援会」に「前夜祭」にかんする収支の報告はなされていない模様だ(ちなみに、山口県は政治資金収支報告書をネット上で公開していない数少ない都道府県のひとつで、情報公開が進まない理由に安倍首相への“配慮”があると見られても仕方がないだろう)。
だが、これまで何度も言及してきたように、「前夜祭」の収支報告がないことは、あきらかにおかしい。安倍首相が強弁しても、当日欠席した人の存在や実費計算と参加者による1人5000円の会費=ホテル側への支払いとはならないはずだからだ。
たとえば、いくら前もって参加者を募っていても、これほど大規模なパーティなら事情があってドタキャンする人は必ず出てくるものだ。その当日キャンセル分の補填は誰がおこなったというのだろうか。あるいは万が一多すぎた場合の余剰分は誰の懐に入るのか。さらに言うと、食事代や会場設営・音響費用などは当日変更さえなければ事前に金額を確定できるが、飲み物代はそうではない。本サイトがホテルニューオータニに問い合わせをした際にも、飲み物代はおおよそ1人4000円程度としながらも、基本的には「実数計上」になると説明を受けている。つまり、事前に飲み物代は確定することはできず、通常でいえば宴会終了後に精算作業がおこなわれるはずなのだ。そして、その精算主体は「安倍晋三後援会」であり、何らかの収支が発生していると考えるのが当然だ。
にもかかわらず、収支報告書に「前夜祭」の記載はない。つまり、パー券で儲ける政治資金パーティとは違い、「前夜祭」は地元後援会関係者をもてなす会であり、その差額を補填していたとしたら供応接待の事実がバレてしまう。だから記載していないのではないか。
しかも、実際にホテルニューオータニが5000円で引き受けていたとしても、本来は参加者1人につき1万1000円以上の費用にもかかわらず大幅な値引きをおこなっていたことになれば、それは「安倍晋三後援会」への寄附にあたり、政治資金規正法で禁じられた政治団体への企業献金となる可能性がある。
つまり、「前夜祭」の収支報告がないことは、政治資金収支報告書への未記載にとどまらない違法行為が隠されている可能性が濃厚だ。しかし、安倍首相はいまだにシラを切り、まともな説明をおこなっていない。
開催を自粛すべきと規定されているのに大規模政治資金パーティを平然と開き、都合の悪いパーティの存在は国民の監視から覆い隠す──。大臣規範を平然と破りつづけていることと、今回の「前夜祭」問題の根幹は、安倍首相にはモラルなどまるでなしという意味で、まったく同じなのである。
(編集部)
最終更新:2019.11.29 11:49