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安倍自民党の“改憲”取り込みが露骨に! 下村博文が改憲推進本部長退任4日前に立憲・山尾志桜里へラブコール

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 11日に発足した第四次安倍再改造内閣で改憲シフトが鮮明になった。直後の会見で安倍首相は「必ずや成し遂げる決意だ」と改憲加速の考えを表明。「令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定に向け、衆参両院で第一党の自民党が憲法審査会で強いリーダーシップを発揮するべきだ」「与野党の枠を超えて活発な議論をしてもらいたい」とも強調したのだ。

 党人事でも改憲を踏み絵に要職を固めた。交代論が浮上した二階俊博幹事長に対しては、改憲論議推進を迫った上で続投を決定。これまで改憲に慎重な姿勢だった二階氏が記者会見で「総裁の意向に沿い、党を挙げて憲法改正に向けて努力を重ねたい」と言い始めたのは、幹事長ポスト剥奪をちらつかせながらの“恫喝効果”の産物に違いない。

 護憲派が多いとされる宏池会率いる岸田文雄政調会長に対しても、憲法改正推進本部長との兼務案が浮上。「改憲への貢献度が次期首相レースを左右する」と示唆した一種の圧力といえるだろう。

 その一方で、改憲論議に乗らない野党を「職場放棄」と批判し、野党から猛反発を受けた下村博文・憲法改正推進本部長は選挙対策本部長に移り、代わって細田博之・元幹事長が憲法改正推進本部長に就任した。

 細田氏は2017年11月から翌年10月まで憲法改正推進本部長を務めた際、石破茂・元地方創生大臣らの反対を抑えて憲法9条への自衛隊明記を含む党改憲案をまとめた。その実績を買われての再登板で、野党の切り崩しがその重大な任務となるだろう。

 実際、下村本部長の任期後半からは、一転してソフトなポーズで野党取り込みに精を出していた。新内閣発足の4日前の9月7日にも、下村氏は「どうする?どうなる?憲法9条『コクミンテキ☆ギロンしよう!第6回』」(主催コクミンテキギロン☆チーム))で講演。自民党が昨年まとめた4項目の改憲案を説明する中で、集会に参加していた山尾志桜里衆院議員(立憲民主党会派)の名前を約30分の間に6回も挙げた。「与野党で改憲論議を進めよう」という秋波を山尾氏に送ったようにみえる下村氏の発言は、以下の通りである。

1)「(板橋区選出で今日はお祭りがある日と言いつつ)山尾さんから声がかかって今日は参りました」
2)「山尾さんからは『立憲民主党の支持者の人が多いかも知れないからアウェイかも知れない』と。そういうところで議論をしないと本当の憲法議論にならないと思います」。
3)「(憲法審査会で)国民投票やCM規制の議論をしながら、出来たら同時並行で、この間テレビに出た時も山尾さんもそういうことを言っていたので、是非、立憲(民主党)の中で広げていただきたいと思っていますが、同時並行で自由討議をしていただきたい。我々は自由討議の中で自民党の条文イメージ案を説明をしたい」。
4)「山尾さんも言われていましたが、立憲がなぜ国会における安倍政権下で(改憲)議論をしないのか。『安倍政権は非常に強権的だから、いざ議論をしたら、そのまま憲法改正が進んでしまって、そういう人達から見たら改悪なのではないか』と恐れていると」。
5)「(憲法改正の条文案について)山尾さんは山尾さんで提案をされることもあるでしょう。他の党もあるでしょう。その中で、例えば、9条については議論をしながら原案にまとめていくことをしていこうということであれば、3分の2以上の発議になるかも知れない」
6)「今の自衛隊をそのままの存在として憲法に明記をする。これによって自衛隊の拡大権限を与えることはしない。これに対して、テレビでよく、最近憲法議論で山尾さんと出る機会があって、『これはウソだ』と。『安倍総理はそう言っているかも知れないが、9条の2項は今の自衛隊の存在をそのまま表している言葉ではなくて拡大解釈ができるのではないか』と」。

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