ヘイト論客を起用し、日本人の暴行正当化を謝罪しなかった『ゴゴスマ』の責任
しかし、武田氏の発言を何度聞き返しても、暴行を諌める文脈で出た言葉でないのは明らかだ。武田氏は、観光人観光客が減っているというニュースに、観光客が来たら日本男子も暴行しないわけにはいかない、と言ったのである。日本人男性による韓国人の女性観光客への暴行を正当化したとしか考えられない発言だろう。
しかも、武田氏は言い訳にならない言い訳の後、暴行正当化を上塗りする発言まで行なった。
「日本男性は我慢すると思うよ。我慢すると思うけど、(韓国人女性への暴行が)起こってももう仕方がないんですよ」
いずれにしても、「女性旅行客を襲うのは韓国だけ」「日本男子も韓国女性に暴行しなけりゃいかん」「韓国人女性への暴行が起きても仕方がない」というのは悪質なヘイトスピーチであり、差別に基づく犯罪を引き起こしかねないものだ。繰り返すが、これは武田氏だけの責任ではなく、『ゴゴスマ』という番組とテレビ局の問題だ。
そもそも『ゴゴスマ』は、この武田氏だけでなく、竹田恒泰氏や須田慎一郎氏といった『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)や『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)の常連である“極右ネトウヨ論客”を曜日レギュラーやゲストコメンテーターに起用している。つまり、こうした日々、ヘイトデマを垂れ流しまくっているような出演者から今回のようなヘイトスピーチが出てくるのは目に見えており、逆に言えば、番組側はそれを期待して起用しているとしか思えないのだ。