玉川徹は「田崎さんは自民党に対してすごい性善説」「自民党が本当にやりたいのは…」
さらに、玉川氏もこう畳みかけた。
「田崎さんが言っているのは、すごい性善説。自民党に対して性善説に僕は聞こえちゃうんですね。僕も取材しましたよ、これ(2012年の憲法改正草案)が出たときに。で、これできたのは、自民党が野党だったときなんです。だから、ある種、責任がないときなんで、本当に自分たちのやりたいことを書いたっていう話、取材で出てました。だからこっちが本音、2012年のほうが。だけど、本音じゃ通りませんよっていうのが憲法改正なんですね。だから、通しやすいように変えてきたっていうふうなことが、いまの条文だろうなっていうふうに僕は解釈していますよ」
現在の改憲「条文イメージ」でソフトに見せかけても、本音は2012年憲法改正草案にある──。こうして問題点を突きつけられても、田崎氏は「そういう見方ありますけども、批判を受けて変えたわけだから。で、いま国会に提出しているのは、これ、4項目なんだから」などと反論。自民党の改憲案は「条文イメージ」(たたき台素案)であって国会に提出なんてしていないし、「4項目なんだから」という台詞にいたっては何の反論にもなっていないのだが、ようするに、安倍自民党の狙いの本質は何も変わっておらず、「緊急事態対応」の改憲案も危険なものであることに違いはないのだ。
参院選投票日を間近に控えているというのに、年金問題をはじめ、これまでの政策の検証さえタブーであるかのように扱おうとしない番組が多いなか、しっかりと改憲の問題点を浮き彫りにした『モーニングショー』には拍手を送りたいが、しかし、冒頭にも書いたように、恐ろしいのは、このまま憲法改正の議論を進める妥当性はあるのかという問いかけがおこなわれることもなく自民党が選挙で勝利することだろう。
そもそも、安倍首相は「憲法審査会で議論を」という前に、まずはその改憲4項目がどんな目的で、何のために改正しようと考えているのかを公約でしっかり示し、説明すべきだ。だが、公約集を見ても、具体的な内容にはまったく触れておらず、憲法改正についての記述もたったの270文字だ。
これで選挙の争点にしてしまおうというのだから無責任すぎるが、もし選挙で安倍自民党が勝利すれば一方的に憲法審査会の開催が強行されることは間違いない。そうなれば、安倍自民党があっさりと発議まで持っていくのは目に見えている。今回の参院選は、この国の憲法が壊されるカウントダウンがはじまる選挙だということを、肝に銘じなくてはならないだろう。
(編集部)
最終更新:2019.07.16 07:04