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党首討論総括…地上波より「ニコ生」の安倍びいきが露骨! 司会の夏野剛・ドワンゴ社長が野党の批判封じ込め

野党党首の主張を無視し「経済は足元好調」と安倍首相のデタラメ発言を擁護した夏野剛

 たとえば、この「ネット党首討論」ではまず最初に経済問題がテーマとして設定されたのだが、安倍首相は「内需は堅調」と強調し、「高校・大学を卒業したみなさんの就職率は過去最高」だの「有効求人倍率が史上初めて1倍を超えた」だの「現役世代の収入は実質でも名目でもプラス」だのと主張した。

 まったく何回同じことを繰り返すのだろう。本サイトでもさんざん書いてきたが、これらのデータ・数字にはカラクリがある。新卒者の就職率上昇も有効求人倍率1倍超えも、団塊世代の一斉退職や少子化といった要因があるし、安倍首相が「実質でも名目でもプラス」と言い張る「総雇用者所得」は、1人当たりの賃金に雇用者数をかけたもの=全労働者に支払われた賃金の総額で、これが伸びているのは高齢者や非正規の女性労働者、学生の就業者が増えたため。つまり、年金では生活できない高齢者や、家計が苦しく働きに出る女性、生活苦の学生たちのアルバイトなど低賃金で働く人が増えているにすぎず、事実、生活実感に近い実質賃金は4カ月連続で前年同月を下回っている。

 このように、安倍首相の主張はデタラメもいいところなのだが、一方、野党は内閣府の景気動向指数が2カ月連続で「悪化」となるなど国内経済は悪い状態で消費増税などもってのほかだと反論。しかし、議論をこうした経済から次のテーマに移す際、司会の夏野氏はこんなことを言い出したのだ。

「申し訳ないんですけども、時間がなくなってきましたので、この経済の問題はですね、じつは日本、足元は好調であるものの、長期的にみるとまだまだ不安がたくさんあるということを、きょうの討論でもみなさんにご指摘いただいていると思います。ぜひ視聴者のみなさんも関心をもって経済のことを考えていただけたらと思います」

 つまり、「堅調」「悪化」と主張が分かれていたのに、安倍首相はじめ与党の主張だけを掬い取って「日本経済の足元は好調」などと司会がまとめてしまったのだ。

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