トランプの「安保見直し」に理解を示した安倍首相、秘密裏にさらなる妥協
しかし、日米安保条約の見直しを要求されるというのは、日本の平和や安全保障を根幹から揺るがす問題だ。こんな重大な事実を国民に隠していていいはずがない。
しかも、前述したように朝日の報道では、トランプは今日の会見で「条約見直しを伝えた」ことだけでなく、〈安倍首相はこうした考えを理解している〉との認識まで示しているというのだ。
日米安保条約と付随する日米地位協定は、米国最大の海外戦略拠点を日本に提供させている上、基地負担や米軍の特権的地位を押し付ける、むしろ日本側にとって著しく不公平なものだ。しかも、日本が攻撃されたとき、米国が本当に日本を守ろうとするかどうかについては、多くの国際政治学者や軍事の専門家が疑問を投げかけている。
いずれにしても、ここまで理不尽な要求を突きつけられたら、「だったら、こちらが日米安保条約や日米地位協定の見直しを要求する!」と、むしろ日本に平等な見直しを突きつけ返すというのが、本来の外交交渉というものだろう。ところが、トランプ大統領に安倍首相はこんな無茶苦茶な要求に唯々諾々と「理解を示した」というのだ。
実際、政府関係者の間では、安倍首相がトランプ大統領に「日米安保見直し」を突きつけつけられて、さらなる妥協をしたのではないかという見方が有力になっている。
「安倍総理が今回の会談で、農産物の輸入関税を米国の主張通り大幅引き下げを約束した、あるいは、先月の首脳会談で約束したものよりもさらに大量の武器購入を提案したのではないかという話が流れています。西村康稔官房副長官は日米安保条約見直しだけでなく、防衛装備品購入についても『議論はなかった』と言っていましたが、額面通りには受け止められません。安倍首相は先月の首脳会談でも、参院選後の大幅関税引き下げを約束したことをトランプにバラされましたが、まったく同じパターンなのかもしれない」(全国紙政治部記者)