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ローソンの関西2400店舗に吉村大阪府知事の顔写真入りポスター! “G20記念フェア”にかこつけ参院選前の政治宣伝

セブン、ファミマも包括連携協定締結、大阪は維新のポスターが溢れかえる街に?

 いや、吉本と大阪市だけの問題ではない。実は、前述した大阪府とローソンの包括連携協定の協定書にも、やはり連携事項のなかに「その他必要と認められる事項」との文言が入れられていた。また、府と包括連携協定企業には、セブン-イレブン・ジャパンやファミリーマートなどのコンビニ、イオンなどの流通、キリンビールなどの飲料事業、ほかにも製薬会社や運送会社、保険会社、銀行、さらには大阪大学をはじめとした大学までもが名前を連ねているが、府との間で結ばれた協定書を見ると「府政や推進するイベントのPR協力に関すること」や「その他本協定の目的に沿うこと」など、解釈次第でどうとでもできる事項が存在している。

 こうしたことが繰り返されると、「法的に問題がなければ、ウチも吉村府知事の顔写真を入れたポスターを貼って、どんどん宣伝してもらおう」と考える企業が続くのではないか。その結果、近畿地方が“吉村ポスター”で溢れかえるという事態も、まったくの杞憂とは言えないのである。

 そもそも、政治家が特定企業のPRに協力したり、あるいは特定のメディアを選んで単独出演するなどということは、少し前では考えられなかった。言わずもがな、容易に政治宣伝に利用される恐れがあるからだ。

 ところが第二次安倍政権の誕生で、安倍首相がマスコミを選別しだした頃から、その風向きが明らかに変わった。政治家は自分に都合のいい好きなメディアだけを選んで“ご褒美”を与え、自身に対して批判的な報道をする嫌いなメディアを遠ざける。自治体の首長も、「地域活性化」などと言って特定企業だけを平気な顔で宣伝する。そのアンバランスによって、マスコミはもちろん商業主義の企業もどんどん政治へなびいていき、底が抜けたように分別がつかない状態に陥っているのが現状だ。

 その意味では、今回のローソンの“吉村ポスター”はそうした危険性を示したケースだと言える。しかも、これは氷山の一角にすぎない。今一度、企業は政治に利用されることへの危機感を持ちなおすべきだ。

最終更新:2019.06.29 08:42

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