吉本興業HPで官邸訪問や安倍首相の新喜劇出演を報告
吉本興業が今日の午後、所属芸人の“闇営業”問題で、雨上がり決死隊・宮迫博之やロンドンブーツ1号2号・田村亮ら11人を、当面、活動停止の謹慎処分にすると発表した。宮迫らすべての芸人がそれまでの回答から一転。書面で、振り込め詐欺グループ側から「間接的に金銭を授受していた」と認めた。
世論はいま、宮迫らが嘘をついていたことに非難が集中しているが、この間、もうひとつ批判の目を向けなければならないのは、彼らが所属する吉本興業という会社だ。周知の通り、この問題は「フライデー」(講談社)のスクープから始まったが、宮迫たちが金銭の受け取りを否定すると、吉本はカラテカ・入江慎也を契約解除したものの、レギュラーを多数抱える宮迫たちについては言い分を信じた体で、厳重注意で済ませてしまった。
周知のように、吉本興業は東京、大阪の民放キー局がほぼすべて株主になっており、バラエティからワイドショーまで、大量の所属芸人をテレビに送り込んでいる。テレビでは笑いにできるゴシップならまだしも、シビアな吉本スキャンダルは一切タブーなのだ。
スポーツ紙も完全に取り込まれており、スキャンダルはもちろん松本人志を批判する記事すら書くことができない状態だ。
おそらく、吉本はテレビとスポーツ紙をこのまま黙らせ、入江切りだけで乗り切ろうとしたのだろう。実際、テレビも吉本の言うがまま、宮迫らの番組出演続行を決定。スポーツ紙なども闇営業についてはほとんど続報を載せなくなった。
まさに傲慢と言うしかないが、しかし、いくらマスコミを抑えても、ネットでは批判がおさまらず、出演番組のスポンサー撤退の動きも出てきたことから、結局、吉本はきょうになって宮迫らの「処分」を発表せざるをえなくなったというわけだ。
しかし、この期に及んでも、吉本はまだ強権的なメディア統制をしていたらしい。実は、宮迫らの謹慎処分は、吉本の発表前、14時前後にスポーツニッポンが「芸人11人を謹慎処分 金銭の授受が発覚」とスクープしたのだが、スポニチはその後すぐに記事を削除していたのだ。そこで、「ハフィントンポスト」が吉本を取材したところ、吉本はスポニチの記事を「誤報だ」と回答したという。
ところが、この直後15時前後に吉本もプレスリリースで正式に謹慎処分を発表した。この流れを考えると、スポーツ紙などのマスコミに情報解禁時間を強制していたのだろう。
しかし、明らかな事実を報じた記事を取り下げさせ、「誤報」だと言い張るとは……。しかも、謹慎処分発表後も批判されているのは、宮迫ら芸人だけ。マスコミは吉本の責任についてほとんど触れていないのだ。一旦、「調査の結果、金銭授受はない」と嘘をついたのは吉本も同じ、普通の企業なら火だるまになっていたはずだ。