BTSやTWICEへの攻撃、韓国文化を紹介した本田真凜や藤田ニコルにも…
その象徴的な例が、昨年秋に勃発したBTSの「原爆Tシャツ」騒動だろう。BTSは昨年11月9日テレビ朝日の『ミュージックステーション』にゲスト出演する予定だったが、ネトウヨたちが難癖をつけて騒ぎ立てていた「原爆Tシャツ」問題を理由に、前日になって出演をドタキャン。これがネトウヨのヘイト攻撃にお墨付きを与えたようなかたちになり、ネトウヨによるバッシングをさらに過熱させてしまった。この動きに他局も追随『FNS歌謡祭』(フジテレビ)なども出演をキャンセル、『NHK紅白歌合戦』に至ってはBTSとまったく関係のないTWICEへの出演オファーについて苦慮しているという報道まで出るなど、K-POPアーティストというだけで排除するという異常事態に発展した。
テレビだけではない。韓国カルチャーについて語った有名人やタレントも攻撃を受けている。たとえば、フィギュアスケートの本田真凜選手は2017年に世界ジュニアで銀メダルを獲得した際、練習と試合を頑張った自分へのご褒美として韓国旅行に行きたいと明かし「ファッションが好きなので、楽しみ」と語ったところ、大バッシングを受けた。
乃木坂46(当時)の生駒里奈もブログ(2017年2月28日)に〈最近K-POPの素晴らしさに魅了されました。ルックスも、ダンスも歌もすごいっっ気づいたらずっとMVみてます。はぁ、同い年、年下の方もいて、こんなレベルでアイドルしてちゃダメだなと反省。頑張ろうとやる気も湧きます!ルックス、体型は無理だから、せめて技術だけでもあげなきゃね〉との投稿をして、少なくない数の攻撃を受けた。
そのため、タレントの側も自主規制をして、どんどん韓国カルチャーにふれなくなっている。藤田ニコルは2019年1月20日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS)で、こんな複雑な心情を告白している。
「私が韓国旅行に行ったりだとか、K-POPの音楽を聴いているだけで、一部の人からけっこう言われたりします。そういう言葉を一部の方から、ツイッターとかインスタグラムとかで来るので、『あ……、こういう感じなんだなぁ……』って」
K-POPが好きとか韓国旅行に行ったというだけで非難されるとは、現在の日本でいかに差別主義やネトウヨ思想が蔓延っているか思い知らされるが、本当にこうした事態が起きているのだ。そして、今回の『あさイチ』炎上。おそらく、テレビはさらに、韓国カルチャー排除という自主規制を強めていくはずだ。