国書由来の元号制定の背後に安倍首相と極右勢力の結託
しかも、安倍首相は元号の国書由来を、元号の事前公表とバーターしたのではないかという見方もある。「代替わりと同時の元号発表」という慣例にこだわる日本会議などの右派勢力は、事前公表に猛反対し、機関誌「日本の息吹」2019年2月号でも、4月1日の公表に対して「遺憾の意を表明せざるを得ない」などと真っ向批判の見解を掲載していた。
行政のシステム改修の問題から、この要求をのめなかった安倍首相はそのかわりに、右派の一部が以前から主張してきた「国書由来の元号」を採用したのではないか、というのだ。
日本会議は本日、「新元号の公表にあたって」と題する声明をホームページで公表。〈元号はわが国において、古来より、その時代に対する理想や願いがこめられてきた歴史があると考えます〉との書き出しで、〈我が国における元号の歴史の重みと意義について改めて留意し、新元号が国民生活に定着するよう、一層の啓発に努力〉などを政府に求めたが、その文面からは、新天皇即位前の公表に対する強い反発は忽然と消えていた。
いずれにしても、今回の「国書由来の元号」は、安倍首相を筆頭とする極右勢力の浅薄なナショナリズムと排外思想の結果、と考えて間違いない。きょう、『モーニングショー』(テレビ朝日)に出演した“安倍首相の代弁者”田崎史郎氏は「最後に誘導はある」と言っていたが、国書由来の元号に誘導したのだろう(もしかしたら、候補の大半が国書由来だった可能性もある)。
実際、安倍首相は「国書由来の元号をつけた初の首相」になったことがよほど自慢だったのか、まるで自分が「令和」という元号を決めたかのようにこう語った。
「悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然。こうした日本の国柄を、しっかりと次の時代へと引き継いでいく。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いを込め『令和』に決定いたしました」