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安倍首相が防衛大卒業式でも自衛隊を道具に改憲を宣言!「お父さん、違憲なの?」の詐術をいつまで使い続けるのか

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防衛大学校卒業式での安倍首相(首相官邸HPより)


 17日に実施された防衛大学校卒業式で、安倍首相がまたも暴走発言をおこなった。これまでも防衛大卒業式の訓示では「警戒監視や情報収集に当たる部隊は、私の目であり耳」「最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕」などと自衛隊を私兵扱いする発言をしてきた安倍首相だが、しかし今回は訳が違う。訓示において、ついに自衛隊を改憲の道具にしたからだ。

 まず、訓示のなかで安倍首相は「本日は昭和51年に卒業されたOBのみなさんもお集まりです」と言い、当時、自衛隊を違憲とする判決が出たことを紹介。「自衛隊に対する視線はいまだ厳しいものがあった。みなさんも心ない批判にさらされたかもしれません」と述べた上で「いまや自衛隊は国民の9割から信頼を勝ち得ています」と言及した。

 ところが、安倍首相はつづいてこう宣言したのである。

「政治も、その責任をしっかりと果たさなければならない。次は、私たちが、自衛隊の諸君が強い誇りをもって職務をまっとうできるよう環境を整えるため、全力を尽くす決意です」

 ようするに、憲法改正によって自衛隊を明記することで「強い誇り」がもてるよう「環境を整える」と明言したのだ。

 しかし、この訓示、誰がどう見てもおかしいだろう。前述したように、安倍首相は「自衛隊は国民の9割から信頼を勝ち得ている」と誇っている。なのに、どうしてわざわざ憲法に自衛隊を明記する必要があるのか。話がまったくつながらず、矛盾しているのだ。

 どうして「自衛隊は国民の9割から信頼を勝ち得ている」のに、憲法を改正して自衛隊を明記しなければならないのか──。だが、安倍首相はこれまでも、こうした矛盾を無視して、インチキな話を持ち出しては改憲の必要性を訴えてきた。

 その最たる例が、あの「お父さんは違憲なの?」話だ。

 本サイトでは過去にも取り上げたが、あらためて説明しておくと、「お父さんは違憲なの?」話というのは、安倍首相が9条加憲の理由としてやたら口にしてきた話。自衛隊員が目に涙を浮かべた子どもから「お父さんは違憲なの?」「学校の先生に言われた」という話を聞いた、だからそんなことのないように自衛隊を憲法に明記する必要がある、というものだ。

 大前提として「お前のお父さん憲法違反!」といじめられた子どもがいるのだとしたら、おこなうべきはいじめの解消・解決であって、「子どもが違憲と言われたから」改憲するということ自体がむちゃくちゃだ。

 しかし、国会でこのエピソードについて追及されると、安倍首相は「嘘だって言っているんでしょ、あなたは」「私が嘘を言うわけないじゃないですか!」と激昂。「資料を出せと言うんであれば出させていただく」と大見得を切り、2月20日の衆院予算委員会でこう説明した。

「(この話は)防衛省担当の総理秘書官を通じて、航空自衛隊の幹部自衛官から伺った話」

 ようするに、安倍首相は「出す」と言っていた資料を出さないまま、自分の「秘書官」から「航空自衛隊の自衛官」の話を間接的に聞いたと言い出したのだ。

 だが、じつは「秘書官から聞いた」というのは、自身がこれまで吹聴してきたエピソードとあきらかに食い違っているのである。

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