『美しい国へ』(文藝春秋)を出版した安倍首相率いる“国土破壊違法集団”のような政権が、美しい辺野古の海をぶち壊しにする違法な土砂投入によるイメージダウンを緩和すべく、“現代版大本営”のようなNHKから“サンゴ移植フェイク発言”を全国の視聴者に垂れ流した。まるで環境負荷抑制に努めているかのような印象操作をしたのに、全く非を認めようとしていないのだ。
1月6日放送の『日曜討論』(NHK)で飛び出した自身の“サンゴ移植フェイク発言”は大きな批判を浴びたが、しかし安倍首相は1月30日、各党代表質問に対して訂正も謝罪もしなかった。
「保護対象のサンゴについては移植し、国指定の天然記念物や絶滅危惧種に指定している貝類、甲殻類なども移動させる方針であると承知している」「南側の埋め立て海域に生息している保護対象のサンゴは移植したと聞いている」と答えるだけ、事実誤認であることを認めなかったのだ。
1月27日の『日曜討論』でも安倍政権の謝罪拒否の姿勢は一貫していた。1月16日に野党合同の辺野古現地視察をした森ゆう子参院議員(自由党幹事長)が、環境負荷の大きい赤土を含んだ「土砂投入問題」や大規模な地盤改良工事が必要となる「軟弱地盤問題」に加えて、「サンゴは移していませんから。総理の日曜討論での発言は間違いです」と指摘した。しかし萩生田光一自民党幹事長代行は、次のように否定したのだ。
「たびたびサンゴの総理の日曜討論での発言が指摘をされているのですが、総理は辺野古の大きな意味で辺野古一体のことを『あそこ』と指摘をしたのでありまして、この土の入っている映像のところは、環境省が定めるレッドブックに規定されている希少サンゴは存在しなかった。それ以外の場所については、移植を進めております。これは事実でありますので、この際、申し上げておきたいと思います」
これに対して小池晃書記局長(共産党)がすぐに異論を唱えた。
「総理は、土砂投入している『あそこのサンゴを移した』と言ったのですから、率直に『間違っていました』と言うべきですよ。しかも、7万4千群体のうち、9群体しか(移植を)やっていない。そう言うから不信感が広がる」
安倍首相も自民党幹部も非を認めようとしないので、問題の発言を忠実に再現してみることにしよう。
「2019年 政治はどう動く」と銘打った1月6日放送の『日曜討論』は、与野党議員が討論する通常の形式ではなく、9党党首への単独インタビューを合体する形で、放送時間も1時間42分と長めだったが、冒頭の安倍首相インタビューは30分弱で、辺野古問題については約2分半にわたって話し続けた。
安倍首相はまず辺野古新基地が世界一危険な普天間基地の危険性除去のための代替基地と強調。そしてスタジオのスクリーンには「住宅地に隣接する普天間基地」に続いて「住宅の上を飛ぶオスプレイ」が映し出された後、「辺野古新基地予定地への土砂投入」の映像が流れたのを受けて安倍首相は、次のような環境負担抑制をアピールしたのだ。
「いま、土砂が投入されている映像がございましたが、土砂を投入していくにあたってですね、あそこのサンゴについては、これは移しております。また、絶滅危惧種が砂浜に存在していたのですが、これは砂をさらってですね、これもしっかりと別の浜に移していくという環境の負担をなるべく抑える努力もしながら、(埋立てを)行っているということであります」
土砂投入映像を見た後で安倍首相が「土砂が投入されている映像」と触れた後、「土砂を投入していくにあたって、あそこのサンゴについては移しています」と述べたのだから、平均的な視聴者は「土砂投入エリアのサンゴを移植した」と受け取るに違いない。萩生田氏の主張するように「辺野古の大きな意味で辺野古一体のことを『あそこ』と指摘」と理解する人は皆無に等しいのだ。