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麻生太郎財務相が「子どもを産まないのが問題」発言の一方で、「金がないなら結婚するな」! いったいどうしろ、と?

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自民党HP『議員・役員情報』より

 麻生太郎副総理兼財務相が、また暴言を吐いた。3日に福岡県でおこなわれた会合において、少子高齢化問題について、こう発言したのだ。

「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」

 子どもを産まなかったほうが問題──。あらためて指摘するまでもなく、この発言は、男女問わず、子どもをつくりたくてもできない不妊に悩む人びとや、個人の権利として子どもをもつことを選択しない人びとに対する暴言だ。

 いや、そもそもこの安倍政権下においては、非正規という不安定雇用が増加の一途を辿り、賃金も伸びず、長時間労働に晒されている人びとにとっては、とても子どもを産み、育てることを考えられるような状況にない。そうした貧困と格差が広がる状況にあって改善策を打ち出すどころか、社会保障費をガンガン削り、さらに生活を圧迫する消費税増税を進めようという麻生財務相こそ、少子化問題の“諸悪の根源”ではないか。

 しかも、きょうおこなわれた衆院予算委員会でこの問題を立憲民主党・大串博志議員が追及した際、麻生財務相はニヤニヤと薄ら笑いを浮かべる始末。これには大串議員も「なに笑っているんですか!」と声を荒げたが、ようするに何の反省もしていないのである。

 それはそうだろう。麻生財務相は2014年12月にも衆院選の演説で社会保障費の増加について「高齢者が悪いというようなイメージをつくっている人が多いが、子どもを産まないのが問題だ」と発言しているが、結局、謝罪もせずに逃げ切った。このときの釈明もひどいものだった。

「子どもを産みたくても産めない、親が働いたときに保育をしてくれる所がないといった理由で、結果的に産まないことが問題なのであって、少子高齢化になって、高齢者が長生きするのが問題だと言われるのは話が違うと申し上げた」

 待機児童がここまで社会問題になっているというのに、“子どもを預けるところがないから産まないのは問題”って……。このときも安倍首相は待機児童ゼロを政策目標に掲げていたが、にもかかわらずこの暴言をスルーして麻生財務相には何のお咎めもなかった。

 また、麻生氏が首相在任中だった2009年には、学生から“若者には結婚するお金がないから結婚が進まず少子化になっているのでは?”と問われた際、こんなことも口にしている。

「金がねえなら、結婚しないほうがいい」
「稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、よほどのなんか相手でないとなかなか難しいんじゃないか」

 若者の貧困化が社会問題になっていたこの時期に、若者から直接、構造的問題点を指摘されたというのに、「金がないなら結婚しないほうがいい」と返答する無神経さ──。しかも、このとき麻生氏は“稼ぐ男性=女性から尊敬される対象”という文脈で語っており、経済的強者であることが男の価値だと強制する家父長制的役割分担を前提にしていた。こうした旧態依然とした考え方が、男性の家事・育児参加を阻害して女性がそれらを押し付けられるという社会的不平等を生み、この構造が女性の社会進出を妨げて経済的にも阻害要因となっているということに、麻生氏はまったく気付いていないのである。

 そもそも、麻生氏の政治家としての歴史は「暴言の歴史」と言ってもいいほどで、昨年だけでも、福田淳一前財務事務次官セクハラ問題で「はめられた可能性は否定できない」などと被害者女性があたかもハニートラップをしかけたようなデマを口にしたり、「福田の人権はなしってわけですか」「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強制わいせつとは違う」と加害者である福田前次官を擁護。森友公文書改ざん問題では「個人の資質が大きい」と言い放ち、昨年11月には元民主党の北橋健・北九州市長にかんして「人の税金を使って東大へ行った」と述べ、教育への公的支出を否定した。

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