田崎スシローは「進展があったように見せる」と安倍官邸の作戦をポロリ
「理解が深まった」のではなく「溝が深まった」の間違いじゃないかとしか思えないが、番組内で「理解が深まったというのはどういう意味?」と尋ねられると、田崎氏はこう述べたのである。
「理解が深まったって意味は……進展がなかったという意味ですよ」
スタジオに乾いた笑いが漏れたことは言うまでもない。田崎氏は「お互いが主張し合って『ああ、そういう考え方なんですね』という意味」「お互いの本音はわかったと」と必死にフォローしていたが、墓穴を掘るとはまさにこのことだろう。
そんな田崎氏、じつは首脳会談を控えた前日の放送では、こんな“内幕”を明かしていた。
昨日の放送で田崎氏は「ふたりのあいだで何かを相当に詰めている」と期待感を煽り、さらには安倍首相の「2島返還プラスアルファ」論を「リアリストなんですよ」と称賛。しかし、その「2島返還」については、「会談で言うかどうかわかりませんよ」と言い出し、こんなことを口走ったのだ。
「進展があったように見せるんですけども、中身で『2島プラスアルファでいいですよ』とは(言うかはわからない)」
領土返還についての踏み込んだ話をするかどうかはわからないが、それでも進展があったように見せる──。ようするに、田崎氏はうっかり安倍官邸の作戦をこぼしてしまったのだ。
だが、この話がけっして笑えないのは、前述したように御用メディアは実際にそうやって「進展があったように見せる」ための手足になっているからだ。
なかでも露骨だったのは、NHKだ。NHKは共同記者発表後すぐに「日ロ首脳 平和条約交渉の加速確認も 具体的進展は見られず」という記事を配信したのだが、「NHKニュース」の公式Twitterアカウントはこの記事へのリンクをはったツイートでは「安倍首相「平和条約交渉 さらに前進するよう指示」」と見出しを“改変”したのである。
そもそも、安倍首相が「北方領土の4島一括返還」を断念して新たに振りかざしはじめた「2島返還プラスアルファ」論は、実態は「0島返還」になる可能性が濃厚なシロモノであり、その上、首脳会談でも何の進展もなかったというのに、必死に「前進」をアピールしつづける安倍官邸とメディア。今後、ロシア側が厳しい姿勢を打ち出し安倍首相がそれに屈服しつづけても、国内メディアがこの体たらくでは、外交の大失敗が正しく国民に伝わることはないだろう。
(編集部)
最終更新:2019.01.23 11:30