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日露首脳会談大失敗を御用メディアが必死のフォロー! でも田崎史郎は「進展あったように見せる」と安倍官邸の作戦をポロリ

日露首脳会談大失敗を御用メディアが必死のフォロー! でも田崎史郎は「進展あったように見せる」と安倍官邸の作戦をポロリの画像1
首相官邸HPより


 25回も会談して、やっぱりこの結果──。「北方領土問題を解決して、平和条約を締結する」と息巻いてきた安倍首相だが、昨晩おこなわれた日露首脳会談では、やはり領土問題の進展はまったくなかった。

 いや、こうなることは最初からわかっていた。安倍首相は昨年11月の日露首脳会談後「日ソ共同宣言が基礎」と強調し、政府関係者もマスコミに対して「2島は確実に取り戻す、ということだ」と話すなど、あたかも歯舞、色丹の2島返還に向けて前進しているかのように印象付けてきたが、今月14日におこなわれた日露外相会談後のラブロフ外相の会見では、2島返還以前に“主権は我々にある”と念押しされた挙げ句、“北方領土と呼ぶな”とまで言われてしまった。

 そこで安倍官邸は、話題を「領土問題」から「平和条約」にシフト、ハードルを下げ、平和条約の話題をしきりにリーク。実際、NHKの岩田明子解説委員は「(今回の)会談では条文作成作業の開始を確認したい考え」「具体的には条文に盛り込むための要素が日露双方から提案される見通し」とまで述べていた。

 ところがどうだ。蓋を開けてみれば、首脳会談後の共同記者発表ではプーチン大統領はもちろん安倍首相の口からも領土問題にかんする言及が一切なかったばかりか、平和条約にかんしてもプーチン大統領は「双方の国民が受け入れ可能で、支持されるものでなければならない」「双方が受け入れ可能な解決策を見いだすための条件をつくり出すには、長く忍耐を要する作業がこの先にあることを強調したい」と主張。一方で会談では新たに日露間の貿易額を今後数年で1.5倍の300億ドル(約3兆2900億円)に増やすことで合意した。

 ようするに、安倍首相はさらなる経済協力という“アメ”を差し出しただけで、領土返還どころか、平和条約の締結も“時間がかかる”“国民に受け入れられるものでなければいけない”と釘を刺されただけ。とんだ「ゼロ回答」だったのである。

 しかし、驚いたのはこの結果を受けたメディアの反応だ。誰がどう見てもプーチン大統領の手のひらの上で転がされているだけだった共同記者発表を終えても、こんな見出しが躍ったからだ。

「ロシア大統領、2島返還を示唆」(共同通信)
「日露首脳会談 平和条約前進を確認 領土「解決は可能」」(産経新聞)

 共同通信のほうはその後、記事タイトルを「ロ大統領、平和条約締結に意欲 2島決着示唆か」に変更されているようだが、いったい共同記者発表のどこでプーチン大統領が「2島返還を示唆」「2島決着示唆」したというのか。そもそも、プーチン大統領は昨年11月の日露首脳会談の翌日には、さっそく2島について「宣言で、主権がどちらになるかは記されていない」と発言するなど、厳しい姿勢を一貫して崩していない。

 また、本日放送の『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)では、安倍応援団のひとりである政治ジャーナリストの末延吉正氏が、共同記者発表について「「2島」をベースに国境確定へ向け話を進めるという意味」(原文ママ)とコメントを寄せていたが、言うまでもなく共同記者発表で「2島をベースに国境線画定」などという話は出ていない。

 だが、こうした領土問題をめぐる“虚報”レベルの見出しや解説だけではなく、読売新聞は「平和条約交渉、本格化を確認…日露首脳会談」と報道。あたかも進展がみられたかのような見出しも躍った。

 いや、さらに失笑したのは、末延氏と同様、安倍応援団である田崎史郎氏の解説だ。本日の『ひるおび!』(TBS)で田崎氏は、今回の首脳会談の結果について、〈安倍首相関係者によれば日ロ首脳会談後 安倍首相はプーチン大統領との理解が深まったと話している〉(フリップより)と、お得意の“安倍さんのお言葉”を紹介したのだ。

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