自由民主党公式サイトより
本日開票がおこなわれた自民党総裁選は、現職の安倍晋三氏が勝利し3選を決めた。だが、安倍陣営は当初目標として「党員票の7割を獲得する」と掲げていたが、安倍氏を選んだ党員票の結果は55.3%(224票)。石破茂氏は下馬評を上回る44.7%(181票)を獲得し、世論を反映しやすいと言われる地方票で善戦した。しかも、国会議員票でも予測より20票ほどが石破氏に流れており、予想以上の造反者が出たようだ。
あれだけ締め付けたのに、この結果──。実際、今回の総裁選では、安倍陣営が神戸市議らに「石破の応援演説に参加すれば将来に差し障る」と脅したり、石破派の斎藤健農水相が安倍支持の国会議員から「辞表を書いてからやれ」と恫喝されたことを告白するなど、すさまじい圧力があったことがあきらかになっている。
そればかりか、本サイトでお伝えしたように、昨日、JR秋葉原駅前でおこなわれた安倍首相単独の街頭演説会では、業界団体などに同演説会への動員が呼びかけられており、昨年の都議選応援演説で「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と安倍首相が指差した抗議する市民たちがいた演説カーの真向かいにあたる“特等席”は、鉄柵で仕切られ、動員者に配布された「自民党総裁選 9月20日開票」と書かれた白いステッカーを貼った者しか入れない状態に。安倍首相が演説をおこなった街宣車に近い内側の歩道も同様で、一般市民は遠くに追いやられてしまったのだ。
この異常な様子は、昨晩放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)や『NEWS23』(TBS)でも報じられた。
●『報ステ』の取材に参加者が「動員かかってる」「最低1万人あつめなきゃ」と証言
たとえば『NEWS23』では、「最前列にいるのは安倍総理の支持者ばかり」だと指摘。安倍首相の政治姿勢を批判し、「安倍辞めろ!」とコールしていた市民の前方には安倍首相を応援する幟が乱立していたことを伝え、いかに安倍首相を抗議する市民たちの姿を隠そうと必死だったかを浮き彫りにした。
また、『報ステ』のカメラは、チャーターされたと思しきバスから降り、会場に向かう人びとの姿を捉えていたが、バスから降りる人びとには問題の白いステッカーが配られていた。実際、「東村山からバスで来た」と言う人びとは、ステッカーを胸に貼り、グループで“特等席”に誘導されていた。
そして、『報ステ』のリポーターが、年配のグループに「いつもこうしていらしている感じなんですか?」と声をかけると、こんな返事が返ってきたのだ。
「動員がかかっているんだよ(笑)。大変だよ。川崎から来たんだから(笑)」
「1万人、最低集めなきゃいけないんだから」
まさに、なりふり構わない安倍陣営の動員作戦だが、さらに本サイトは、ある動画を入手。そこには、昨日の安倍首相の街頭演説会で、参加者に対し「茶封筒」が配られる様子が映し出されていた。
その動画では、「安倍支持」と書かれた紙を小脇に抱える眼鏡をかけた男性(以下、男)と、例の白いステッカーを胸に貼ったジャケットと白のパンツ姿の女性(以下、女)の姿が捉えられている。本サイトに動画を提供してくれた影者によると、演説会が終わったあと、駅近くのベンチ前で立つこの男と女に、参加者が次々と声をかけ、参加者らは安倍陣営のテーマカラーである赤色の布を男に返却。男は赤い布を手持ちのビニール袋にしまっていった。他方、女は参加者に茶封筒を渡していたという。ちなみにこの赤い布は、安倍首相の演説中に“動員特等席”で参加者らが振っていたものと思われる。