内調の北村情報官が日朝交渉を担当したとたんに起きたスパイ拘束事件
それにしても、日本政府はいったいなぜ、こうも事実を隠したがるのか。少し前、日朝交渉の地ならしを安倍首相の最側近で内閣情報調査室のトップ・北村滋内閣情報官が担当することになったことを伝えたが、今回のスパイ拘束隠しはその北村内閣情報官の動きと関係しているとの情報もある。
「北村氏は古巣の公安ルートを使って北朝鮮と接触をはかろうとしていたようなんですが、難航していたらしい。そんなところに、今回の拘束があったため、北朝鮮当局に内調や公安との関係を疑われたのではないかという見方が出てきています。実際は関係のある可能性は高くないが、無関係でも、裏交渉をしている過程でこんな拘束事件が起きたこと自体、政府としては失態。だから、なんとしてでも報道を抑え込みたいんでしょう」(公安ジャーナリスト)
また、先月には、「公安調査庁のスパイ」と中国政府に認定された人物が実刑判決を受けたが、こうした問題も尾を引いているという。
「中国で愛知県の男性が7月10日に、スパイ罪などで懲役12年の実刑判決を言い渡されました。中国で日本人がスパイ罪で有罪判決を受けたのは初めてのことで、しかも7月13日には2015年に逮捕された神奈川県の男性もスパイ罪で懲役5年の実刑判決を受けており、立て続けのスパイ罪判決で日本政府に衝撃が走っています。菅義偉官房長官は10日の記者会見で、愛知県の男性について中国でのスパイ行為を否定しましたが、審理が行われた中国浙江省の地裁判決では、スパイ罪を含む複数の罪で刑を言い渡し、判決文のなかで『公安調査庁のスパイ』と断定しているんです。今回の問題をきっかけに、この一件が蒸し返され、批判されるのを懸念しているというのもあるようです」(前出・政治部記者)
いずれにしても、新聞・テレビが安倍政権の脅しに屈して、こんな重要な事件をきちんと報道しようとしないというのは、異常と言うしかない。週末だろうとも官邸に記者会見を開かせ、説明を求めるのが筋ではないか。
(編集部)
最終更新:2018.08.12 12:09