昭恵夫人付き職員の谷査恵子氏が森友土地の「賃料引き下げ」を要求の記述も
さらに、辰巳議員はこの文書とは別に、財務省と国交省が隠蔽しつづけている記録のひとつとして、2015年11月12日に総理夫人付き職員の谷査恵子氏が財務省に口利き電話を入れた当日、近畿財務局が大阪航空局に電話で報告していた内容が記された文書も公表。ここには〈近畿財務局からの情報提供〉として、〈11/11に安倍総理夫人付きのタニ(女性)氏から、森友学園に係る以下の問い合わせが財務本省にあり〉と書かれており、さらには、谷氏が「新聞報道であった介護施設に対する賃料引き下げの優遇措置を小学校にも適用出来ないのか」「貸付料の減免、土壌汚染対策工事中の免除等はできないのか」と迫ったことが記されていた。安倍首相はこれまで谷氏の口利きを「値下げをしてくれ、優遇してくれということではなくて、制度に関する問い合せ」として問題ないと答弁してきたが、谷氏ははっきりと「賃料引き下げ」「貸付料の減免」を要求していたのである。
しかも、この文書には、〈安倍総理夫人付きのタニ氏は、経済産業省からの出向者のようである。〉〈安倍総理夫人は、森友学園が開校を計画している「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任しています。〉とも記されている。いかに森友が「総理夫人案件」であることを強く意識していたか、ここでもよくわかるというものだろう。
こうした財務省が隠し通そうとする文書を突きつけられ、安倍首相は「事前通告にない質問だから答えようがない」と逃げ、「真偽のほどもわからない」「真実かどうかもわからない」「まったく架空の状況」などと、あたかもでっち上げの可能性があるかのように強調した。──こうした態度も含め、メディアはしっかり報じる必要があるだろう。
何度でも言うが、森友も加計も、民主主義の根幹を揺るがすこの国にとって重大な問題だ。そこから関心を失わせようと安倍首相や麻生財務相は嘘ばかりを吐き、為政者の嘘を国民に慣らしつつあるが、そのおかしさに異を唱えず、報じないならば、メディアも同罪だ。
(編集部)
最終更新:2020.03.20 04:04