ネットでは池田候補が書いてもいない「拉致は創作」論文の存在が拡散
〈「池田ちかこ 新潟知事選候補『北朝鮮の拉致は創作された事件』(1997年の論文より)」〉
〈新潟知事選挙に出馬した池田ちか子は1997年に「北朝鮮拉致は創作された事件」と主張する論文を発表した「人間のクズ」である〉
〈「北朝鮮拉致は創作された事件」なんて主張した論文(月刊社会民主1997年7月号)まで出した社民党の #池田ちかこが新潟県知事になったら〉
選挙戦が始まって以降、こんなデマツイートが投稿されはじめ、右派系の評論家や元自民党衆議院議員なども拡散していた。
しかし、池田氏はそんな論文は一切書いておらず、まったく別の人物が書いた記事の中に、そういう記述が出てくるだけだった。元拉致被害者家族会事務局長で元東電社員の蓮池透氏も8日、池田氏支援の集会でこれを否定し次のように訴えた。
「向こうの陣営をたぶん応援する人だと思うのですが、とんでもないデマ、フェイクを流しているのです。池田千賀子さんは『拉致問題は創作だ』と言った、と。そんなバカなこと、誰が言うのですか。地元ですよ、池田さんは。旦那さんはうちの弟と同級生ですよ。そんなふざけたことを言うわけがないんです。これはもう私は、法的にも問題だと私は思います」
だが、このデマはその後も変わらず、投票日まで、あたかも事実のように拡散され続けた。こちらは花角陣営が直接関わっているかどうかはわからないが、「法的にも問題」(蓮池氏)であることには変わりなく、場合によっては、同じく公職選挙法違反となる可能性は十分にあるだろう。
そして、前述したように、“文春の下半身スキャンダル”デマについては、知事ポストを得た花角陣営のナンバー2である選対幹部がかかわっていた。こうしたデマ攻撃が罰せられずに放置されるのならば、新潟県は公職選挙法が適用されない無法地帯と化していると言っても過言ではない。と同時に「法治国家」の屋台骨も揺るがすことにもなる。安倍自民党が支援した候補が選挙違反をしてもお咎めなしとなれば、権力者とその仲間たちの無法行為が免責される独裁国家に等しいといえるからだ。
今回、新聞記事に掲載された「選対幹部の実名のデマ発言」という動かぬ証拠がある。もしこれが立件されれば、長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう。「事実関係を確認する」と当確直後に述べた花角氏の初会見は知事就任後の見通しだが、選対幹部の選挙違反をどう釈明するのかが注目される。
(横田 一,)
最終更新:2018.06.12 08:59