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田端信太郎「過労死は自己責任」発言問題でZOZOTOWN前澤友作社長があらわにした“本音”と“無責任”

田端氏はZOZO前澤社長が「本音を隠さず語る」ことを評価してスカウト

 しかも、田端氏はたまたま採用募集に応募して同社の社員になったわけではない。「ZOZOTOWN」の創設者で、株式会社スタートトゥデイ代表取締役の前澤友作氏が直々に指名して、スカウトした人物なのだ。

 これについては、当の田端氏が6月5日のニュースサイト「NEWSポストセブン」インタビューで明かしている。今年2月末にLINEを退職し、3月1日に、株式会社スタートトゥデイに転職した経緯について、「前澤友作代表取締役社長から声をかけられたのがきっかけということですが」と話を振られ、こう答えているのだ。

「前澤(社長)が、プライベートブランド「ZOZO」の立ち上げなどにあたって、発信力のある人、本音を隠さず語るような人材を探していたときに、周囲の複数の人から、だったら田端がいいんじゃないかと言われたようです」

 周知のように、田端氏はスタートトゥデイへの転職前から、貧困問題をめぐってグロテスクな自己責任論を口にして何度か炎上していた。前澤氏が田端氏の「本音を隠さない」ところを気に入ったのというのが事実なら、こういう貧困叩きや自己責任論という「本音」にも共感していた可能性がある。

 実際、前澤氏は今回、田端氏の「過労死は自己責任」発言について、ツイッターで弁明をしていたが、それはなんとも歯切れが悪いものだった。

 念のため付け加えておくと、前澤氏は田端氏やホリエモンなどと違って、むき出しの自己責任論や新自由主義的主張を叫ぶことはほとんどなく、むしろ社会貢献などを意識した姿勢を見せている経営者だ。スタートトゥデイも社員にやさしい会社をアピールしている。

 そのため、今回の過労死問題では、当初、前澤氏が田端氏を厳しく説諭してくれるのではないかという期待もあった。

 ところが、その対応はなんとも期待はずれのものだった。田端氏を諌めるどころか、炎上翌日の3日、前澤氏はこの問題についてこんなツイートをした。

〈会社の全社員、社長、本人、同僚、上司、部下、家族、友人、、、全ての人にとって痛ましく悲しいことです。同時に全ての人に責任があり、全ての人が忘れてはならず、全ての人に同じことを二度と起こしてはいけないという決意や行動が必要になると思います。会社は社会ですから〉
〈基本、人生すべて自分次第。けど、人間だから、時には挫けるし負けるし悩むし落ち込むし死にたくなるけど、そんな人を抱き上げて介抱して励まして側にそっといてあげられるのが、会社や友人や家族や社会じゃん。責任の所在を明確にすることより、先にやらなきゃいけないことあるよね〉

 一見「人にやさしい経営者」というポーズをとっているが、きちんと読むと、前澤氏も過労死や過重労働の問題をまったく理解していないことがよくわかる。 典型なのが〈会社の全社員、社長、本人、同僚、上司、部下、家族、友人〉のすべての人に責任があると述べているくだりだ。このなかで責任があるのは社長、上司だけのはずなのに、なぜ、過労死の責任に本人や同僚、部下に含まれるのか。さらに前澤氏は〈責任の所在を明確にすることより、先にやらなきゃいけないことあるよね〉とも述べているが、これは使用者にある〈責任の所在〉をごまかしているとしか思えない。

 ようするに、言葉はきれいだが、内容は田端氏の〈過労死には本人の責任もある。〉というツイートとほとんど大差がないのだ。

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