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『笑点』で円楽、たい平、木久扇が安倍政権批判ネタを連発して炎上! 圧力に屈しないベテラン落語家たちの心意気

『笑点』メンバーは一貫して政治家や権力風刺をネタにしてきた

 このように、『笑点』メンバーは以前から、政治家や権力をからかい、政治の話題を大喜利に盛り込んできた。しかし、おそらくそれは彼らにとって特別なことではない。庶民が権力者に対して抱く怒りや不満を、皮肉や風刺の笑いに変えることは、芸人の役割のひとつであり、日本でも以前は普通におこなわれてきたことだからだ。テレビで芸人が総理大臣をからかったり、コテンパンに悪口を言うというのも、昔はそう珍しいことではなかった。

 ところが、第二次安倍政権以降、こうした政権批判をすると、ネットで炎上し、ネトウヨや安倍応援団からテレビ局に電凸が殺到するようになり、どんどん政治風刺ネタが姿を消していった。

 しかし、笑点メンバーは、ネットの反応や安倍応援団の抗議など気にすることなく、一貫して政治風刺ネタを続けてきた。そして、今回は三遊亭円楽、林家たい平、林家木久扇のトリオ芸で、かなり痛烈な安倍政権批判をおこなった。

 そう考えると、笑点メンバーの心意気には敬服するしかないが、問題は、こうした社会風刺や権力批判を笑いに変えようとする芸人が、ほとんどいなくなっているということだ。

 だが、若手・中堅のお笑い芸人でその役割を背負おうとしているのは、ウーマンラッシュアワーくらいで、林家木久扇や三遊亭円楽など、ベテラン中のベテラン芸人しかいない現状は、あまりにもこころもとない(『笑点』メンバーのなかにいると若く見えるが、林家たい平だって53歳である)。

 また、もうひとつ心配なのは、今回の大炎上をきっかけに『笑点』制作サイドにプレッシャーがかかって、政権風刺ネタが制約されたりしないか、ということだ。

 せめて『笑点』だけはこれまで通りの姿勢を貫き続けてほしい。

最終更新:2018.05.31 12:42

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