愛媛・今治の柳瀬首相秘書官訪問は、安倍・加計会談を受けてのもの
今回の加計のコメントがインチキであることは、ほかでもない当時、首相秘書官だった柳瀬唯夫氏の行動が証明している。
参考人招致でも認めたように、柳瀬氏は加計学園側と官邸で3回も面談をしているのだ。しかも、その1度目は、安倍首相と加計理事長の面談があったとされる2015年2月25日からほぼ1カ月後の3月24日のことだった。
柳瀬氏はこの面談について、参考人招致で「(加計の担当者から)『今度、上京するのでお会いしたい』とアポイントがあってお会いした」と述べた。この答弁は「具体的な案件もなく、『上京するから』なんて理由で首相秘書官と簡単に会えるものなのか」というツッコミが溢れたように、嘘というのがバレバレだ。首相秘書官が独断で一学校法人の担当者の特区指定の相談に乗るなどという、ほかでは絶対にあり得ないことが実現したのは、柳瀬首相秘書官を動かすなんらかのきっかけがあったからだ。
愛媛県の新文書には、安倍首相の「獣医大学いいね」発言が記された文書とは別に、同年3月15日に今治市と加計側がおこなった協議の内容を記した文書があるのだが、そこにはこんな記述があった。
〈柳瀬首相秘書官と加計学園の協議日程について(2/25の学園理事長と総理との面会を受け、同秘書官から資料提出の指示あり)(学園)3/24(火)で最終調整中である〉
つまり、この文書には、安倍首相と加計理事長の面談がすべての出発点になって、柳瀬首相秘書官が加計学園に資料提出を求め、加計は3月24日に官邸を訪問することになったという経緯が記されているのだ。
さらに同文書には、「文部科学省の動向について」と題した項目にこんな記述もある。
〈(学園)文科省から獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議委員に対する意見照会を実施している模様。
2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料のうち、「新しい教育戦略」(別紙p.5-6)に記載の目指すべき大学の姿に関する部分を抜粋したアンケート形式の資料を示して、短期間での回答を求めている。アンケート結果は、柳瀬首相秘書官との面会時に、学園に対し、情報提供されるものと推測。
なお、委員からの評判は概ね良いとの情報を得ている〉
そう。この報告文書には、「2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料」と、面談時に加計理事長が安倍首相に資料を提供していたとする記述まで、当たり前のように出てくるのだ。