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ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第15号

パワハラ休職から職場復帰した社員を襲ったさらなるパワハラ! パワハラ被害にあったら記録を残せ、無理せず休め

パワハラ事件では証拠が重要!録音、日記、カルテ…記録を残そう

 パワハラの損害賠償請求訴訟で認められる慰謝料はそれほど高額でないことから、相手方会社は、当方が提示した慰謝料の金額について難色を示してきた。私は、営業所長のパワハラが執拗であったこと、クライアントが職場復帰後に営業所長の目の前に座席を移動させたことが悪質であること等が慰謝料増額事由であるとして、相手方会社と交渉した。

 その結果、治療費、休業損害、慰謝料、退職金を含めた解決金として、相手方会社が190万円をクライアントに支払うことで示談が成立した。また、自己都合退職の場合、雇用保険の基本手当を受給できるようになるまでに3カ月の待機期間が発生することになり、クライアントに不利益が生じてしまう。そこで、離職票の離職理由を「5(1)②就業環境に係る重大な問題(故意の除斥、嫌がらせ等)があったと労働者が判断したため」とし、離職票の「具体的事情記載欄(事業主用)」に相手方会社が、「職場の上司からパワハラを受け、就業環境が著しく悪化し、退職せざるを得なくなったため」と記載することで合意が成立した。これで、クライアントが3カ月の待機期間を待たずに、雇用保険の基本手当を受給することができるようになった。

 パワハラ事件では、パワハラの事実を立証するための録音等の証拠がそろっているかが重要となるので、パワハラを受けた労働者は、パワハラの事実を記録するようにするべきである。具体的には、言葉の暴力を録音する、具体的なパワハラの事実をその都度日記に記載しておく、パワハラの具体的な出来事を精神科の医師に話して、カルテに記載してもらうといった方法が挙げられる。

 また、パワハラで体調を崩した場合は、無理をせず、会社を休むべきである。会社から、職場復帰を打診された場合、パワハラをした人物が配置転換で職場からいなくなった等の抜本的な改善措置がない限り、職場復帰するのは危険である。そして、パワハラを受けて会社を退職することになったとしても、弁護士に相談することで、会社に損害賠償請求をして一矢報いることができるかもしれないので、早目に弁護士に相談することをお勧めしたい。

【関連条文】
損害賠償請求 民法415条、民法709条、民法715条
安全配慮義務(パワハラ防止義務、職場復帰支援義務) 労働契約法5条

(徳田隆裕/弁護士法人金沢合同法律事務所https://www.kanazawagoudoulaw.com
ブログ https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog

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ブラック企業被害対策弁護団
http://black-taisaku-bengodan.jp

長時間労働、残業代不払い、パワハラなど違法行為で、労働者を苦しめるブラック企業。ブラック企業被害対策弁護団(通称ブラ弁)は、こうしたブラック企業による被害者を救済し、ブラック企業により働く者が遣い潰されることのない社会を目指し、ブラック企業の被害調査、対応策の研究、問題提起、被害者の法的権利実現に取り組んでいる。
この連載は、ブラック企業被害対策弁護団に所属する全国の弁護士が交代で執筆します。

最終更新:2018.07.03 11:07

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