首相官邸HP
14日におこなわれた参院予算委員会で、新たな「加計ありき」の証拠が出てきた。共産党の田村智子議員が入手した内閣府の文書によると、なんと、獣医学部新設を「1校に限る」と正式に発表した約2カ月前にあたる2016年10月24日、特区担当の山本幸三地方創生担当相(当時)が京都府の山内修一副知事に対して「1校しか認められない」と発言していたことが明らかになったのだ。
田村議員によれば、この日、山内副知事は京都選出の自民党・西田昌司参院議員とともに内閣府の大臣室を訪れ山本地方創生相と面会し、京都産業大学の獣医学部新設について陳情。しかし、その席で山本地方創生相は「経過もあり1校しか認められない」「難しい状況なので理解してほしい」と述べたという。陳情に同席した西田議員も各社の取材に対し「難しい」という趣旨の発言があったことを認めている。
田村議員は「京都府に断念するよう説得していたことになる」と追及したが、その通りだろう。
これまでの山本地方創生相の国会答弁によれば、「1校に限る」と山本大臣が最終的に決めたのは同年の12月20日前後。同月22日に内閣府から文科省、農水省に提示し三大臣合意を取り付け、2017年1月4日に獣医学部新設は1校に限って認めると告示した。つまり、正式に告示するよりも2カ月も前に山本地方創生相は京都府に対して「1校しか認められない」と断念するよう迫っていたということになる。
これまでも、内閣府は加計学園に対して懇切丁寧にアドバイスをおこなったり、「2018年4月開学」という要件が公表される前から内閣府主導で今治市と開学スケジュールを共有するなど、さまざまな場面で加計を優遇してきた一方で、内閣府は京産大を“厄介者”扱いをしてきたことが明らかになっている。
たとえば、今治市が国家戦略特区に申請したのは2015年6月4日だが、国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が今治市に最初のヒアリングをおこなったのは、なんと4日後の6月8日。一方、京都府と京産大にヒアリングを実施したのは申請から約7カ月も経ってからのことだ。