麻生太郎財務相「だったら男の記者に替えろ」「ネタ欲しさについていった」「触られてもいない」
たとえば、担当記者との懇親会では、記者から「次官のセクハラ、さすがに辞職なんじゃないですかね」と尋ねられると、こう答えたという。
「だったらすぐに男の番(記者)に替えればいいだけじゃないか。なあそうだろ? だってさ、(週刊新潮に話した担当女性記者は)ネタをもらえるかもってそれでついていったんだろ。触られてもいないんじゃないの」(「週刊新潮」4月26日号/新潮社)
さらに、福田次官の辞任に伴い、事務次官代行も務めている矢野康治官房長にしても、被害女性に名乗り出ろという対応を迫ったことに批判が集中したにもかかわらず、「(名乗り出ることは)そんなに苦痛なことなのか」と呆気にとられるような無神経発言をおこなったが、それでもなお「(セクハラの認識について)私は相当高いと思いますよ」と断言。セクハラ調査について「“一応”つづけることになると思いますけど」「“一応”最善を尽くしますよ」などと述べた。
被害者への配慮もセクハラに対する問題意識もまったくない人物を福田次官の代行に充て、当の大臣は“男に替えればいいだけ”“ネタ欲しさでついていったのなら自業自得”“触られてもないんじゃないの”などとセクハラ発言を連発する──。麻生財務相を辞任させず、このような人事を黙認しているのは、もちろん安倍首相である。
ようするに、上が上でセクハラの認識もなくセクハラ発言を再生産しつづけているから、自民党内からも女性の権利など微塵も考えない暴論が飛び出す。そして、安倍自民党は注意をおこなうこともなく放置して、問題を悪化させつづけている。これはすべて、安倍首相のセクハラに対する認識の甘さを表しているとしか言いようがない。
リスクを承知で勇気ある告発をおこなった女性がいるのに、結局は被害者が叩かれ、政府は問題解決をはかるのではなく、女性にすべての罪をかぶせようとしている。こんな国で生きていかなくてはならないのかと考えると女性にとっては絶望しかないが、森友・加計問題だけではなく、セクハラ問題においても「こんな国」を主導する安倍首相の責任を、もっと問わなければならないはずだ。
(編集部)
最終更新:2018.04.22 01:20