若狭氏は「大阪地検が携帯の通話記録を照会して偽証をついてくる」可能性も指摘
先日も安倍首相が参院予算委員会で今井首相秘書官の名前を出されてあからさまに慌てふためき、挙動不審になるという一幕があったばかりだが、不当な土地取引と文書改ざんの核心部分で動いていたのが今井首相秘書官であることは間違いない。そのような重要人物との関係を佐川氏が否定することは、最初から証人喚問のシナリオで織り込み済みだったはずだ。
だが、官邸で森友対応を担っている今井首相秘書官と騒動発覚時に理財局長だった佐川氏が「森友について話したことがない」などということは、多くの元官僚が指摘しているように、霞が関の常識に照らしてもありえない話だ。
典型的な嘘反応を示していたという指摘だけではなく、こうした官邸と省庁の関係を考えても、佐川氏が嘘の証言をおこなったことは明らかなわけだが、問題は、東京地検特捜部副部長の経験もある若狭氏が、大阪地検特捜部もこの答弁を突いてくるのではないか、と語っていたことだ。若狭氏はこのように述べた。
「今井秘書官と佐川さんが電話か何かでやりとりしてるんじゃないかということで、特捜部は携帯電話会社に交信記録を照会するんです」
「じつは証人に出る前にやりとりがあったのか、ということが出てくれば、これはあきらかに『話したことはない』と言い切っている佐川さんは偽証じゃないかと。そこに特捜部は大きな武器をもてるんですよね」
もし、交信記録によって佐川氏と今井首相秘書官の接点が明らかになれば、安倍首相や官邸の関与という“本丸”にもメスが入れられることになる。いわば、昨日の佐川氏の証言が「蟻の一穴」になる可能性もあるのだ。