“佐川呼び捨て”の麻生財務相に義家弘介が「私も呼び捨てにされたい」
この日、デーブ・スペクターは〈テレビで悪役商会が出てると思ったら財務省を叱ってる自民党の西田議員だった〉とツイートしていたが、安倍首相や麻生財務相のことは必死に庇い、財務省の官僚を激しく攻撃するその姿は、醜悪以外の何物でもなかった。
しかし、こうした反吐が出そうな自民党によるショーが、きょうも国会で繰り広げられた。なかでも醜かったのは、義家弘介・元文科副大臣の衆院財務金融委における質疑だ。
まず、義家元文科副大臣は、今朝の毎日新聞が伝えた森友学園への約8億円値引き売買の根拠となってきた地中ゴミについて、建設業者が「虚偽の報告書を作成した」と大阪地検の調べに答えているという件を取り上げ、この報道を「たいへん扇動的な記事」と表現。この期に及んで、いまだ自民党が問題の真相究明になど乗り出す気はゼロであることを印象付けた。
さらに、今回の文書改ざんについても、「麻生財務大臣への極めて冒涜的な態度」「この部分については激しい怒りを感じております」などと言い出し、「麻生大臣がG20に出席できなくなった」「内政の問題で出席できなくなる。たんに文書の書き換えのみならず、我が国にとって深刻な事態になってしまっている」と述べたのだ。
いやいや、すっかり「佐川が勝手にやったことで麻生財務相は何も知らなかった」という前提で話が進んでいるが、今回のような大規模な改ざんを一介の理財局長の判断で実行したという筋書きを誰が信じるだろう。だいたい、公文書の改ざんは民主主義の破壊行為であり、何より国民に対する背信行為である。それを「麻生大臣を冒涜した!」と怒り出すというのは、国民を二重でバカにしている。
だが、義家元文科副大臣はこの委員会に出席していた麻生財務省の顔色しか見ていない。その証拠に、唐突に「麻生大臣のお人柄」について演説を展開しはじめたのだ。いかにいまの自民党が腐っているのかを象徴する言葉なので、少々長いが紹介しよう。
「私もまだ11年しか近くで存じ上げておりませんが、麻生大臣のお人柄、まさに親分肌でもございます。すべてをポジティブに、そしてすべてを信じながら物事を進めて行くという、たいへん大きなリ-ダーであると私は認識しておりますが、その麻生大臣がこの矢面のなかで、自分たちの部下が水面下で、そのようなことをやっているなかで前線に立たれていた。大臣はつねに前向きなことしかおっしゃりませんけれども、その心中察するやいかばかりかと、私自身、感じております」
「一部でテレビの評論家も、野党のみなさんも、麻生大臣が『佐川、佐川』と呼び捨てにするのはいかがなのかという話を聞きますけど、5年間、同じ釜のメシを食ってですね、さまざまな問題をともに力を合わせて乗り越えてきた、まさにファミリー、チームでやってきたわけでありまして。私だって、11年間やってきて『義家』と呼び捨てにしていただけませんから。私は呼び捨てにしていただけるくらい信頼されたいと思ってますよ! それぐらい佐川さんのことを信頼し、そして佐川さんの能力も評価し、これまで国会の前線に立ってきた。しかし一方で、佐川氏は書き換えを知っていながら答弁していたのだとしたら、これ、たいへん(声を詰まらせて)胸の痛い話だなと思います」