官邸は「決裁前に修正しただけで改ざんではない」という言い訳で責任回避を画策
しかし、麻生財務相の辞任や別の議員の関与をもち出したところで、決裁文書を改ざんしていたという事実がなくなるわけではない。これは、れっきとした公文書の偽造という大罪であり、重大な国家犯罪だ。
だが、姑息なことに官邸は、月曜に改ざん前文書を出すと同時に、「決裁する前に修正しただけだから改ざんではなく、問題はない」と主張する方針だとみられている。
まったく、そんな子ども騙しの言い訳が通用するとでも思っているのだろうか。普通、公文書の修正をする場合は、二重線を引いて訂正印を押し、誰が訂正をしたかをわかるようなかたちにするのがルールだ。それをせずに修正することを「改ざん」と呼ぶのだ。
そして、公文書に記された政府にとって都合の悪い部分を改ざんするという行為は、麻生財務相が辞める程度で責任が取れるような話ではなく、内閣総辞職に値する問題だ。しかも、本サイトの既報の通り、改ざん箇所は佐川前理財局長や麻生財務相の国会における答弁と連動したかたちとなっており、官邸と財務省がシナリオをつくって答弁の口裏合わせをし、それに沿うかたちで決裁文書の書き換えを近畿財務局に指示をしたとしか考えられない。官邸の関与こそがこの公文書偽造の核心であり、安倍官邸の暴走が問題にされなければ、責任の所在があきらかになったとは言えないのだ。
ほんとうの追及は、月曜の改ざん前決裁文書が出されてからはじまる。そのとき、責任問題から遁走する安倍官邸をけっして許してはならない。
(編集部)
最終更新:2018.03.11 07:42