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「宇予くん」だけじゃない“ドラ息子の集団”JCのトンデモ改憲計画! 戦争放棄も男女同権も削除

第一次安倍政権以降、極右思想、歴史修正主義をエスカレートさせたJC

 実際、2005年にJCが発行していた雑誌「JC」(時事通信社)では、「ミサイル防衛」や「領土領海問題」「教科書問題」「日本の新憲法が見えてきた!」などの特集・話題を扱いながら、第3号(05年11月15日発売)で自民党幹事長代理だった安倍氏と当時のJC会頭・高竹和明氏の対談を掲載。またJCは06年から07年にかけて「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)で一回あたり16ページもの大広告を断続的に展開していたが、あらためてこれを読むと、教育基本法改正の推進など、当時のJCの政治運動が安倍首相とその周辺の日本会議系人士のトレースだったという事実が浮かび上がる。

 たとえば、同誌07年9月15日号掲載のJC広告では、巻頭インタビューにあのトンデモ教育理論「親学」で知られる高橋史朗・明星大学教授が登場。JCは同じ広告のなかで「親学推進プロジェクト」の考案や、日めくりの「親学カレンダー 親学の実践・親の心得」、〈戦前の『尋常小學修身書』から偉人伝を抜粋〉する「美しく生きるための先人の教え 生き方の教科書」の制作予定を公言していた。しかも「親学」関連の監修は高橋氏、教科書の監修を安倍首相の極右ブレーン・八木秀次氏が務めると謳っている。なお、JCの関係者が八木氏が理事長を務める日本教育再生機構の運営に関与していたことは、東京青年会議所の機関紙「Tokyo JC News」のなかでも堂々と打ち明けられていた。

 また、JCは2006年に『誇り 伝えよう日本のあゆみ』なる歴史修正アニメも制作している。内容は、現代の女子高生の前に戦死した青年の幽霊が現れ、戦前・戦中日本の侵略戦争への動きを正当化するような解説をし、例の「(マッカーサーも)日本の行った大東亜戦争は自衛のための戦争だった(と証言)」なるデマを開陳したあげく、靖国神社へ誘うというものだ。このアニメを使った新しい教育事業は文科省に採択され、当時のしんぶん赤旗の報道によれば、JCは全国の学校授業でこのアニメを使用しようとしていたという。

 こうしたJCの極右教育活動については、以前も本サイトで取り上げたことがある。2015年11月3日放送の『ニュースウオッチ9』(NHK)が報じた、JCが埼玉県さいたま市の中学校で行った憲法の「出前授業」のことだ。教壇にはJCの憲法論議推進委員会の副委員長が立ち、「いまの憲法の前文を読んだことはありますか?」と生徒たちに切り出してから、「あなたは日本人について、これからどういう人であってほしいと思いますか?」などと尋ねていた。

 本来、憲法というのは国民が為政者の権力を縛るものであり、憲法に“日本人はどうあるべきか”などという道徳観念を強制するのは、戦前・戦中の大日本帝国憲法と同じ国家主義的憲法観そのものだが、こうした極右的憲法観を端的に表しているのが、JCが2012年に決定した自前の憲法改正草案だろう。

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