関西電力ホームページより
福島第一原発事故から7年。事故直後はすべて止まっていた原発だが、現在までに高浜原発3、4号機、伊方原発3号機(定期点検中)、川内原発1、2号機が再稼動し、さらに明日3月14日には大飯原発3号機までもが再稼動する見通しとなっている。
大飯原発といえば、住民らによる運転差止め訴訟で2014年5月、福井地方裁判所の樋口英明裁判長(当時)が3、4号機の運転差止めという判決を出した原発だ。しかし、この判決に対して関西電力(関電)がすぐに控訴。差止めは確定されなかった。
しかも、この判決後、露骨な圧力を思わせる事態が起きる。差止め判決を出した樋口裁判長は大飯原発訴訟の後、高浜原発の差止め訴訟を担当。15年4月に高浜原発再稼働差し止めの仮処分を出すのだが、その後、名古屋家裁に“懲罰左遷”される。そして、後任の裁判長は、高浜の樋口判決を覆して再稼働を決定してしまったのだ。
これは、再稼働に躍起になっている政権と原発ムラの圧力が司法にまで及んでいたという証明だろう。
となると、懸念されるのは前述した大飯原発訴訟の控訴審の行方だ。名古屋高裁での再稼働をめぐる審議はその後3年続き、昨年2017年11月に結審、いつ判決がなされてもおかしくない状態だ。14日の再稼働は避けられないが、もし、控訴審で一審の判決が維持されれば、再び停止に追い込む可能性もある。
しかし、現在の状況をみていると、高裁判決で一審の樋口判決は覆されてしまうのではないか。そんな懸念がわいてくる。そこで、今回、一審で樋口判決を引き出した原告側弁護士で、現在は控訴審の弁護団長を務める島田広弁護士にインタビューを敢行した。
現在、訴訟はどのような状況になっているのか。島田弁護士の証言から浮かび上がってきたのは、再稼動にひた走る政府と電力会社を忖度しているとしか思えない裁判所の醜悪な姿だった。原発事故7年、訴訟の最前線を検証する。
(編集部)