「週刊新潮」では日本会議系の百地章や八木秀次に失笑アドバイス
そういえば、三浦センセイ、ちょっと前にも「週刊新潮」(新潮社)18年2月15日号の「異端の学者4人が座談会「我ら9条改正賛成派」」なる企画に登場していた。この座談会では三浦センセイのほか、百地章・日本大学名誉教授、八木秀次・麗澤大学教授、長尾一鉱・中央大学名誉教授が参加。ようは三浦センセイ、集団的自衛権を合憲とするなどバリバリの日本会議系憲法学者のサークルに仲良く加わっていたわけだ。
それだけでも、現在の三浦瑠麗という人の立ち位置がはっきりするというものだが、しかし、笑ったのが座談の内容だ。極右学者たちが悲願である9条改憲への課題について語るなか、三浦センセイは「なぜそんな9条が人気なのか」と切り出し、こんな珍解説を述べている。
「私は(9条が)日本におけるナショナリズムの代替物だと思っています。アイデンティティーを強化したい時、ごく普通にナチュラルに選ぶのって大体ナショナリズムなわけじゃないですか。けれども、敗戦国だし、今の保守政権に対して親近感を覚えられない人たちは、9条が世界に一つだけの花、みたいに捉え、世界でもユニークな存在だとして自らのアイデンティティーを支えている。だから、9条を信奉する人たちは、必ずしもナショナリズムと対極にあるのではなく、そういうものに対しアイデンティティーを強化する必要のある「弱い個」なのだと思います」
“9条護憲派はアイデンティティを強化する必要のある「弱い個」”──これぞ三浦センセイの得意技である“ナンチャッテ分析”の典型だろう。実際、三浦氏の前提に従えば、9条改憲派はまさに「ナショナリズム」そのものを選択しているから、したがってアイデンティティを強化したい「弱い個」である、なんて言うこともできるはずだが、なぜか三浦センセイは9条護憲派だけをそうだと決めつけている。というか「弱い個」だからなんなのかって話でもあるのだが、ようするに三浦センセイの言論のレベルって、こういう小手先だけの中身スカスカをそれっぽく味付けして話しているに過ぎないのである。
まあ、それはおくとしても、さらに笑えるのは百地氏から“どうすれば女性たちが9条改憲を選ぶよう説得できるのか教えてほしい”と請われた三浦センセイが、自信満々にこんなアドバイスをしていたことだ。
「あれはこうなっているとか「教える」形ではダメですよね。あと、「国際的には」という言い回しも禁句。“君は無知だからね”という本音が見え隠れしてしまいますから」
「優しくない言い方をしたり、何となく騙しているように聞こえる説得の仕方もよくない」
いやはや、それってまさに三浦センセイが『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)でやってることなんですけど……。さすがに、自分のことは一番自分がわかっている。そういうことなのかもしれない。