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“生活苦の指標”エンゲル係数アップに安倍首相がデタラメ言い訳! 直後にWikiのエンゲル係数解説が改ざん

安倍首相の答弁直後に書き換えられたWikipediaの「エンゲル係数」

 小川議員の言うとおりだろう。事実、マスコミ各社の世論調査でも、大多数がアベノミクスによる景気回復を実感していないという結果が出ている。たとえば1月のNHK調査では、「景気の回復を実感しているか」について「あまり実感していない」と「まったく実感していない」が合わせて76パーセント。読売新聞の調査でも、「安倍内閣のもとで、景気の回復を、実感していますか、実感していませんか」との質問に対し「実感していない」が73パーセントだった。

 エンゲル係数が生活の豊かさ・苦しさを示す端的な指標である以上、その上昇は国民の生活苦という実感を意味している。安倍首相はアベノミクスによって国民生活が豊かになったと嘯くが、大ウソであることを正直に認めるべきだ。

 まあ、アベノミクスに関しては、方々から失敗が指摘され続けてもなお、安倍首相は都合のいい数字だけを持ち出して、ひたすら成果を喧伝してきた。その態度を考えると、安倍首相が誤りを認めて軌道修正することなど期待できないが、他方で、今回のエンゲル係数に関する国会質疑をめぐっては、もうひとつ興味深いことが起きている。

 小川議員が質問した1月31日参院予算委の翌日、ユーザー参加型のインターネット百科事典「Wikipedia」における「エンゲル係数」の項目が、まるで安倍政権に都合よくするかのように書き換えられたのである。

 2017年10月5日に編集されたそれまでの版では、エンゲル係数の「概要」として〈一般に、エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされる。これは、食費(食糧・水など)は生命維持の関係から(嗜好品に比べて)極端な節約が困難とされるためであり、これをエンゲルの法則という。エンゲル係数の高低は生活水準を表す指標となっているが、価格体系や生活慣習の異なる社会集団の比較には必ずしも役だたない〉と常識的に記されていた。

 それが2月1日の午前1時24分に、突如、あるユーザーがこう全面的に書き換えたのだ。

〈エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされてきたが、かつて各国の労働者の多くを占めていた農家・漁業域関係者が割合的に激減するなど都市化した現在では商品価格の水準・生活様式・食生活の内情・周辺環境が多様になったことで各家庭の前提条件に大きな相違があって比較にならなくなったとして重要度が下がっている。(以下略)〉

 その後も“生活様式の変化等によりエンゲル係数の高低は重要でなくなった”という趣旨の記述が続く。安倍首相の答弁をなぞるような書き換えだ。しかもWikipediaは編集者の独自研究を載せない方針で、必ず出展を示すのがルールだが、記述の出展とされているのは小説であった。

 同日午前5時3分には、別のユーザーが「小説をソースに書かれることではない」として記述を元に戻す編集を行った。しかし、同日午前7時32分には〈昨今では核家族や一人暮らしが増えて中食が増えるなどの要因により、一概にエンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとは言えなくなってきている〉等が加えられ、またすぐに削除されるなど編集合戦となり、同日9時には編集できないよう保護される事態となった。

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