メディアはなぜ疑惑を報じない?茂木大臣が大手メディア幹部に圧力発言
茂木経済再生相の場合は線香に名前が入っていなかったというが、それでも事務所秘書がそれを持参すれば、茂木氏からのものと受け取るのは当然のこと。小野寺防衛相が「明確に違反」というように、茂木経済再生相のケースも公選法違反にあたる可能性は極めて高い。しかも、茂木経済再生相の場合は手帖配布問題もあるのだ。
いや、最近の事例を考えても、法相を辞任した松島みどり議員のケースでは、特捜部はうちわが有価物であり、公選法上の寄附にあたると認定。松島法相のうちわの単価は1本当たり36~45円で制作費はトータルで約150万円だったというが、一方、茂木経済再生相は手帖だけをとっても180万円相当を複数年にわたって配布していたと報じられており、これに線香問題を加えれば、松島議員よりももっと悪質だ。
こうしたことを見ても茂木経済再生相のこの一件は、大臣辞職だけではなく、議員辞職、公民権停止に相当する疑惑を孕んでいる。だが、異様なのはメディアの姿勢だ。現役大臣にこれだけの疑惑がもち上がっているというのに、どのメディアもこの問題を後追いせず、まったく報じていないのである。
しかし、じつは「週刊新潮」によると、昨年8月の第一報の後、茂木経済再生相が「大手メディアの幹部」にこんな連絡をしていたというのだ。
「総務省のお墨付きがあるから、何の問題もない。だから新潮に乗っかると誤報になっちゃうよ」
もしこれが事実であればなんとも姑息な話だが、実際に毎日新聞や地元・下野新聞、テレビ朝日などは茂木経済再生相の言い分ばかりを垂れ流していた、と同誌は指摘している。今回もそうした安倍政権お得意のメディア圧力によって報道を拡大させないつもりなのだろう。
だが、再度言うが、同じように線香を配って小野寺防衛相は議員辞職しているのだ。これで大臣の座に茂木氏が居座るようなことになれば、安倍政権によって法と報道が機能不全に陥っていることを意味するだろう。
(編集部)
最終更新:2018.01.25 09:01