著書『総理』を印籠に…さらに山口氏は文科省管轄の融資にも関与!?
まるで加計学園問題における「官邸の最高レベルが言っている」という台詞を彷彿とさせるが、つまり、山口氏と齊藤社長は「ペジー社は官邸案件だ」と経産省に詰め寄っていた、ということだ。
同誌はこれまでも、山口氏の著書『総理』(幻冬舎)が“錬金術の武器になっていた”実態を報道。12月28日号では、永田町関係者がこのように証言していた。
「齊藤社長が一所懸命にスパコンの性能を訴えて、山口さんは関心がなさそうな態度で。齊藤社長よりも偉そうな感じで黙って、よく言えば重鎮のような振る舞いをしているように見えたそうですね。ひとしきり話が進んだところで、齊藤社長が、”こちらの方は、総理、官邸と近い人物です。信頼していただいて大丈夫です”と言うと、山口さんが例の……ヨイショ本の『総理』を差し出してくる」
山口氏はメディアでも著書をひけらかして安倍首相との近さをアピールしてきたが、これが助成金を交付する経産省でおこなわれ、「官邸が了解しているのになぜ急がないのか」と促されれば、官僚はどう動くか。昭恵夫人の側近からの口利きがおこなわれた森友学園問題や、安倍首相の側近たちが暗躍して文科省に圧力をかけた加計学園問題と同じ構図で、そうやって山口氏も「行政を歪めた」のではないか。そんな疑いの眼差しが向けられるのは自然なことだろう。
しかも、「週刊新潮」の記事で特捜部関係者は「山口が濃密にやりとりしていたのは文科省の方でした」とも語っている。例の文科省所管のJSTが総額60億円の融資を決定していた件だ。
本サイトでは昨年12月に詳しく報じたが、じつはこの巨額融資でも極めて不可解な事実があった。この融資が決まった助成制度は「緊急募集」という名目でおこなわれており、公募要項は100ページを超え、応募に必要な書類等も細かい書式の指定などがあり煩雑だが、その募集期間は2016年10月12日から同月の25日という、発表から締切までたったの2週間しかなかったのだ。そんな異様な短期間にもかかわらず、齊藤社長のエクサ社はまるで事前に「緊急募集」を知っていたかのように応募を済ませ、結果、巨額融資を手に入れることができたのである。
そして、今回発覚した、この融資にかんして山口氏が「文科省と濃密にやりとりしていた」という新たな証言……。疑惑はさらに膨らむ一方だ。