「イヤホンちょっと、大丈夫ですか?」
10月9日放送『NEWS23』(TBS)党首討論で星浩キャスターに向かって
放送を見ていた視聴者のほとんどが「?」の状態だったろうが、テレビの前でネトウヨは狂喜乱舞。それもそのはずで、なんと安倍首相は、ネトウヨがネット上で展開していた陰謀論をそのままテレビの生放送で口にしたからだ。
経緯を説明しよう。安倍首相が解散発表後に『NEWS23』に生出演した際、番組では籠池泰典理事長側と財務省側との交渉を記録した音声データを取り上げるなど、数々の疑惑を安倍首相にぶつけた。だが、これにネトウヨが大反発。星浩キャスターのイヤホンから「2人でもりかけ」というディレクターの指示の音声が漏れていたことを鬼の首をとったかのように騒ぎ立てたのだ。
時間が限られている生放送で自分のPRだけをやろうとした安倍首相に対し、番組側が少しでも国民が注目する部分に話をもっていこうと努力するのは当たり前のこと。だいたい「丁寧に説明する」と言って憚らないのは安倍首相自身だ。それをあたかも不正がおこなわれたかのように騒ぎ立てるのはいかにもネトウヨらしい行動といえるが、問題はこのあと。党首討論で再び安倍首相が同番組に出演すると、唐突に「イヤホンちょっと大丈夫ですか」と星キャスターに尋ねたのだ。
ネトウヨによる「偏向報道陰謀論」を安倍首相がキャッチし、生放送でそのネトウヨの指摘を実行してみせる。しかも、党首討論という国民が注視する場で、である。
もはや、安倍首相が「ネトウヨ的」だとか「ネトウヨとの親和性が髙い」といったレベルの話ではなく、この言動は「ネトウヨそのもの」。この国は「総理がネトウヨ」なのである。
そして、そんな安倍首相は、今年、ネトウヨ集会にも参加し、次のように挨拶したのである。