小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

年末特別企画 リテラの2017年振り返り

詩織さんからはあちゅうまで、セクハラ被害者、働く母親へのバッシングが頻発した“男尊女卑”の1年を総まくり

【その8】はあちゅうに激しい非難が殺到する一方で、新たなセクハラ告発の動きが

 最後は、やはり著名ブロガーはあちゅうこと伊藤春香氏の告発についてふれておこう。電通時代の上司であるクリエイティブディレクターの岸勇希氏からセクハラ、パワハラを受けていたという告発をしたはあちゅう。大きな話題を呼び、岸氏は自分の経営する会社の代表を辞任する結果となったが、一方で起こったのは、はあちゅうへの激しい批判、バッシングだった。
 実際、はあちゅうは「(セクハラを告白したことで)人生で一番、心ない言葉を浴びました」と苛烈なバッッシングを語っているが、これはオーバーな話ではない。これまで紹介してきた事例をみてもわかるように、日本社会では女性が性被害を告白すると、必ず激しいバッシングが起きる。
 この背景には“被害を受ける女性にも落ち度や責任がある”という女性に対して抑圧的な日本社会の特性、そしてセクハラする側が自分の行為を性暴力だと認識していないという問題がある。女性が性被害を訴えると、加害者は過剰な自己保身から、その告発を“無化”しようとさまざまなかたちで攻撃を加え、本質をすり替えようとするのだ。
 問題の根深さに暗澹とした気分になるが、一方でははあちゅうの告発をきっかけに、SNSで自らのセクハラや性被害を訴える投稿が急増している。これまで「セクハラは笑って流せばいい」と抑圧され、沈黙を余儀なくされていた多くの女性が、声を上げ始めたのだ。
 今年は他にも元厚生労働事務次官の村木厚子氏や、作家の森まゆみ氏、中島京子氏が過去のセクハラ被害を告白。またはあちゅうの告白後には政治アイドルの町田彩香や、起業家の椎木里佳氏といった女性たちが声を上げている。性被害は女性の落ち度などでは決してない。性被害者に責任などない。#MeTooの流れ、男性たちの意識改革の流れが日本でも広がっていくことを期待しよう。

最終更新:2018.10.18 01:54

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する