首相官邸HPより
森友学園問題で、核心に迫るスクープが報じられた。今朝の東京新聞が、森友側と財務省、国土交通省が協議をおこなった際の「音声データ」を入手。そのやりとりは、3メートル以下の地中からゴミが出てくるというシナリオに沿って動いていくことを国側が「説得」していたことをさらに裏付けるものだ。
記事によると、この音声データは今年9月に関西テレビがスクープしたものと同じ2016年3月下旬におこなわれた協議のものとみられ、出席者は〈学園側は籠池泰典理事長と、妻の諄子・幼稚園副園長、学園の代理人弁護士、小学校建設業者、国側は財務省近畿財務局の統括国有財産管理官とその部下、国土交通省大阪航空局職員〉だ。
すでに関テレの報道で、このときに籠池理事長は「棟上げの時に、首相夫人来られることになっている。だから日にちの設定をした。設定をしててこんなになってしまった。どうするの、僕の顔は」と昭恵夫人の名前を出すかたちで国側に肉薄。対する国側の職員は、「3メートルまで掘っていますと。土壌改良をやって、その下からゴミが出てきたと理解している。その下にあるゴミは国が知らなかった事実なので、そこはきっちりやる必要があるでしょというストーリーはイメージしているんです」と、事実上、国側が「値引き」をおこなうためのストーリーを提示していたことが判明していた。
一方、工事業者は「3メートルより下からはゴミはそんなに出てきていない」と言うと、国側の職員は「言い方としては“混在”と、“9メートルまでの範囲”で」と提案。弁護士も「(9メートルまでガラが入っている可能性は)否定できないでしょ?」と語り、結果的に工事関係者は「そのへんをうまくコントロールしてくれたら、我々は資料を提供しますので」と承諾。国側の職員は「虚偽のないようにあれが大事なので、混在していると。ある程度3メートル超のところにもあると。ゼロじゃないと」と畳みかけていた。
この音声データが公開された時点で、もはや国側が値引きに向けて口裏合わせをおこなっていたことは明々白々だった。しかし、11月28日の衆院予算委員会でこのやりとりは口裏合わせだったのではないかと追及を受けた財務省の太田充・理財局長は、「3メートルを超える深い所から出てきた物について、必要な資料の提出をお願いした。口裏合わせはしていない」と否定。30日の参院予算委では「会話の一部が切り取られた。新たな埋設物の資料提供をお願いしている」と重ねて否定したのだ。
だが、今回の東京新聞の報道では、この協議をより克明に伝えるもので、肝心な部分は中略せず、会話の一部を切り取ることなく伝えられている。