山口氏は「知らない方いたら、ネットで検索しないで」とネタにする始末
以上の点からみても、明らかに合理的でない説明をしているのは山口氏のほうだろう。しかも、この件については、再三触れてきたように、当時の警視庁刑事部長の決裁で、山口氏を捜査員が待ち構えるなか逮捕直前でストップがかかったことや、山口氏が“官邸のアイヒマン”と言われる北村滋・内閣情報調査官を彷彿とさせる「北村さま」に対応を相談していたことも「週刊新潮」の報道で明らかになっている。
ところが、前述の「Hanada」のように、右派メディアは山口氏の“復帰”を盛大にバックアップしている。実際、花田編集長のネット番組への出演と同日、ネトウヨ向けネット番組『報道特注』の「第一回ファンクラブ公開収録」に参加。もともと山口氏は同番組の準レギュラー的扱いだったが、この日も自民党の和田政宗参院議員や日本維新の会の“暴言王”・足立康史衆院議員、経済評論家の上念司氏など、あまりのネトウヨ度に胸焼けしそうなレギュラー陣とともに、シャンパンとみられるグラスを傾けていた。
そして、山口氏が「僕、人前に出るのすごい久しぶりなんで」とあいさつすると、会場からは爆笑と拍手がわいた。続いて、司会の生田よしかつ氏(築地市場のマグロ仲卸三代目)がこう呼びかけると、詰め掛けた「ファン」は一層大きな拍手を送ったのだった。
「はからずもですけど、今回の公開収録はですね、もちろん足立さんの当選記念と、めでたく日の目をみられるようになった山口さんの“おめでとう会”でもございますので、もう(一度拍手を)お願いします」
確認しておくが、山口氏は現在も詩織さんと民事で係争中だ。そんな人物を「めでたく日の目を見られるになった」とか「おめでとう会」などと言って持ち上げる番組の神経を疑うが、山口氏もこれに乗っかって「もし、知らない方がいたら、ネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などと話し、会場のグロテスクな笑いを誘っていた。
ようするに、安倍首相のお友達や応援団、御用文化人ならば、もはや“何をやっても許される”という言論空間が、ネットや雑誌を中心にできあがりつつあるということらしい。しかも、本サイトで追及してきたAbemaTVの見城徹・幻冬舎社長の番組とテレビ朝日の問題のように、こうした安倍応援団の無秩序かつ不埒な流れは、今後、地上波の放送局にも確実に波及していくだろう。
かつては右派メディアにも、彼らなりの倫理観や矜持があったはずだが、今や完全に底が抜けた状態と言わざるをえない。本サイトでは今後も、山口氏の疑惑とメディアの姿勢を注視していく。
(編集部)
最終更新:2017.11.01 12:27