有森裕子は、開催の意義を失った東京五輪に対し「返上」まで提案
また、有森は続けて、東京でオリンピックを開催する「意義」そのものがねじ曲げられていると語り、「五輪返上」の案まで俎上に上げるのだった。
「そもそもなぜ東京五輪を招致したのか。一番大切なのが、復興だったはずです。スポーツによって、日本を元気に変えよう。日本に大きな災害があって、オリンピックを呼ぶことで復興させられるんだと、最たる手本になる国になる。そのつもりで私もブエノスアイレスでロビー活動をしました。でも蓋を開けたら全然いま違う。復興どころか、どこを見ているんだろう。結局何をやろうとしているんだろうというのが正直あります。どこか不安で、反抗したくなるような、やらなきゃいい、返上すればいいという感情を促してしまう。すごく残念です」(前出『久米宏 ラジオなんですけど』)
椎名林檎が今回、「国民全員が組織委員会」という全体主敵発言をせず、歯切れの悪い口調だったのは、やはり先の炎上や当のアスリートからも批判の声が出始めていることを考慮したのだろうか?
もっとも、弱気になっているのは口調だけ。五輪について多様な文化を向かい入れるという視点でなく、「日本語が世界に知られてほしい」というエスノセントリズム丸出しのコメントをしているところをみると、その思想はほとんど変わっていないのかもしれないが……。
(編集部)
最終更新:2017.10.31 05:04