“カルト団体の資金集めに利用、昭恵夫人は広告塔に”という指摘も
実は、この昭恵夫人と同イベントをめぐる問題は、日刊ゲンダイが9月末にとりあげ、一部で話題になっていた。
ゲンダイの記事は〈(宗教法人・不二阿祖山太神宮は)祈祷をしたり、水を売って“再建資金”を稼いでいるらしい。「崇敬奉賛会」という会員組織もあり正会員は年間5000円以上、特別会員になるには年間5万円以上払う必要がある〉ことや、〈昭恵夫人は山梨県の知人を通じて渡邉氏を紹介され〉たことなどを報じ、同イベントが“カルト団体の資金集めに利用され、昭恵夫人がその広告塔になっているのではないか”ということを示唆していた。
一方、不二阿祖山太神宮の担当者は日刊ゲンダイの取材に対して、神道の宗教法人でありカルト団体ではないとしたうえで、「瓦1枚500円の協賛金か初穂料をいただいた方にはペットボトル入りの『真名井の御神水』を1本お譲りしています」などと答えている。
だが、同イベントの実行委員長が、オカルトの臭いが漂う新興宗教の代表であり、昭恵夫人の名誉顧問就任前に個人的な面会があったことは事実だろう。なぜ、日刊ゲンダイに報じられた後というタイミングで、昭恵夫人の名前が不自然にもなくなったのか。逆に言えば、これはその経緯や関係性にやましいところがあるということなのではないか。
本サイトが「FUJISAN地球フェスタ“WA”2017」の実行委員会に電話取材を試みたところ、同イベントの事務局担当者を通じて、実行委員会からの伝言による一問一答形式で回答が得られた。
まず、今週に入って役員名簿から昭恵夫人の名前が消されたのはなぜかという質問については、「当フェスタ(イベント)の性質上、選挙に乗じて昭恵夫人のお名前を再登場させることで政治の混乱に巻き込まれることは不本意ですので、名簿からお名前を下げさせていただきました」との答え。昭恵夫人からの辞退の申し出があったわけでなく、イベント側から名前を下げたということらしい。また、そもそも昭恵夫人がイベントの名誉顧問に就任した経緯についても質問をしたが、「副実行委員長のご紹介です」との回答にとどまった。
さらに本サイトは、実行委員長の渡邉氏が率いる宗教法人・不二阿祖山太神宮と「FUJISAN地球フェスタ“WA”」が非常に密接な関係にあるように思えることから、その関係性について詳しく聞きたい旨を伝えたが、実行委員会からは「当フェスタで開催しております親子稲作体験のプログラムのなかでの神事を(2014〜16年に)担当しておりましたのが不二阿祖山太神宮です」という表面的な回答にとどまった。
いずれにせよ、伝言での回答だったこともあり、詳細な曖昧なまま。依然として、このオカルト宗教法人代表が仕切るイベントと昭恵夫人をめぐる一件は、あまりにも不可解なことや疑問点が多すぎる。本サイトでは引き続き、この“第3の森友問題疑惑”を追っていくつもりだ。
(編集部)
最終更新:2017.10.13 11:29