政策協定書に「改憲」はあるのに「原発ゼロ」はなかった
しかも、読売が報じた「政策協定書」最終案には、他にもトンデモなことばかり書かれていた。項目は全部で8つあるのだが、そのなかには〈限定的な集団的自衛権の行使を含め安全保障法制を基本的に容認し、現実的な安全保障政策を支持すること〉〈憲法改正を支持すること〉など、リベラル派根絶のための“踏み絵”はもちろん、さらには〈外国人に対する地方参政権の付与については反対すること〉なるものまで含まれていた。小池代表の本質たる極右排外主義がにじみ出ていると評さざるをえない。
希望の党はそのあと、内容をややソフトに書き換えたものに差し替えたが、それでも本質は何も変わらない。そして、もうひとつ注目すべきなのは、この「政策協定書」最終案でも、変更後のものにも、「原発ゼロ」が一文字も存在しないことだ。小池代表は、希望の党の結党表明時に「原発ゼロ」を目玉公約として打ち出し、安倍自民党との差別化をはかったが、それからわずか一週間で脱原発に本気で取り組む気などまったくないことをさらけ出したわけである。
本サイトはもともと、希望の党が「原発ゼロ」をぶち上げたときから、小池氏がこれまで脱原発的スタンスをとったことが一度もなかったことや、ましてや過去の雑誌での対談のなかで“東京への核ミサイル配備”まで賛意を示していたことなどを根拠に「選挙のためだけのインチキだ」と指摘してきたが、それにしても、こんな一瞬で本音が露見するとは驚きである。
しかし、これではっきりしただろう。いずれにせよ、小池代表率いる希望の党の頭のなかは、どうやってカネを集めるかばかりで、文字通りの“「原発ゼロ」白紙化”に象徴されるように、改憲や安保など安倍自民党と瓜ふたつの政策の他はたんなる選挙対策のハリボテにすぎないということだ。
「反安倍で野党の一本化」などという夢を見ている人は、たいがい目を醒ましたほうがいい。安倍と小池という独裁者気質のポピュリストによる“極右二大政党制”が誕生した暁に、この国がどこへ向かうのか。現実的に考えるべきである。
(編集部)
最終更新:2017.10.03 12:43