「慰安婦像を、ひとつひとつ爆破すればいい」と爆破テロを推奨
そもそも、杉田氏が一番血道を上げてきたのが、先に触れたように、慰安婦問題などを否定する歴史修正運動の国際版、産経が言うところの「歴史戦」である。
議員時代、国会で河野談話の撤廃と河野洋平・元内閣官房長官の参考人招致を要求した杉田氏だが、議員落選後には、前述した「なでしこアクション」代表の山本氏や、幸福実現党党首の釈量子氏などとともに、国連の女子差別撤廃委員会のセッション前ワーキングミーティングに出向き“慰安婦問題は歪められている!”と主張。しかも、櫻井よしこ氏曰く、この杉田氏らの国連に対する訴えが、同本会議で外務省の杉山晋輔・外務審議官(当時。現・事務次官)が“従軍慰安婦の強制連行は吉田清治氏による捏造”“強制連行はなかった”という旨の発言をする「きっかけ」(産経新聞16年2月1日)となったという。
こうした“実績”で極右やネトウヨ界隈からおだてられ気を良くしたのだろうか。杉田氏は、慰安婦問題を象徴する少女像に対しても「反日」と罵る攻撃を強めているのだが、昨年出した作家の河添恵子氏との共著『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)のなかで、“少女像を爆破しよう。恐れて作られなくなる”なる剥き出しのテロルを扇動すらしてみせたのである。
同書ではまず、川添氏が少女像について、「ロシアのプーチン大統領なら、しれっとした顔で指示するはず。『撤去せよ』とね。それで誰かがある日、ブルドーザーか何か重機でガーッ、バーッと手荒に撤去しちゃう」なることを言い出すのだが、それに対して杉田氏は「やりに行こうかな(笑)」と同調。この時点で驚きだが、続けてこんな発言をしているのである。
「アメリカもそうですが、慰安婦像を何個建ててもそこが爆破されるとなったら、もうそれ以上、建てようとは思わない。建つたびに、一つひとつ爆破すればいい」
読んで字のごとく、完全に爆破テロを推進している。異常としか言いようがない発想だが、杉田氏の爆破テロ発言を受けた河添氏も「住民も危険だからって皆、慰安婦碑の建設に反対してくれる(笑)。誰も近寄らなくなりますしね」とノリノリなのだ。
念のため大真面目に言っておく。実行すれば国内法では激発物破裂罪にあたり最高刑は死刑である。ケースによっては殺人罪やその未遂罪、過失致死傷罪にあたる可能性もある。いずれにせよ、端的に言って重犯罪であり、目的から鑑みて「テロ」と断じざるを得ない。
まったく、目眩がしてくるではないか。
そして、確認しておくが、こんなトンデモな人物を、政権与党である自民党が公認し、衆院選に送り出すというのである。しかも、杉田氏はTwitterで、希望の党からのラブコールを断ったうえで自民党からの出馬を決断したと言っているが、どうやら、杉田氏を熱望したのは、実に安倍首相その人らしいのだ。