秋元康が多用してきた「人のせい」や「知らぬ存ぜぬ」の歴史
だが、このように秋元が騒動に関して「知らぬ存ぜぬ」の態度を貫き通したり、人のせいにしたりすることは「いつものこと」ではある。
たとえば、2016年10月に起きた、欅坂46のステージ衣装が「ナチスの軍服そっくり」であると問題になった騒動は記憶に新しい。これは国際的な問題にまで発展し、同月31日(現地時間)には、ユダヤ系人権団体であるサイモン・ウィーゼンタール・センターが「ナチスによる虐殺の被害者にとって多大なる苦痛」として謝罪を要求するにいたった。そこで、欅坂46の所属レコード会社であるソニーミュージックと総合プロデューサーの秋元がそれぞれ謝罪コメントを発表したわけだが、そこでの謝罪コメントは、現場スタッフに責任を押し付けるひどいものだった。
「ニュースで知りました。ありえない衣装でした。事前報告がなかったので、チェックもできませんでした。スタッフもナチスを想起させるものを作った訳ではないと思いますが、プロデューサーとして、監督不行き届きだったと思っております。大変申し訳なく思っています。再発防止に向けて、すべて事前にチェックし、スタッフ教育も徹底して行いたいと思います」
また、2012年にはこんなこともあった。乃木坂46のセカンドシングル「おいでシャンプー」ミュージックビデオでのスカートをたくし上げる振り付けが「下品だ」と批判が起こったのだが、その際、秋元はGoogle+に「ソニーミュージックの今野!なっ?やっぱり、乃木坂46の新曲『おいでシャンプー』の振り付けのあの部分、不評だろ?だから、会議の時に言ったじゃないか!あれは、やりすぎだよ」と投稿。乃木坂46運営委員会委員長の今野義雄を名指しで批判し、“後出しジャンケン”で担当者にすべての責任を押し付けた。
また、今年の6月、幕張メッセで行われた欅坂46の全国握手会にて、発煙筒を燃やした男が確保されたうえ、果物ナイフを所持していたことから銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された件も同じだ。
取り調べのなかで男は「刺して殺そうと思った」と供述しているうえ、忘れ物を装って荷物検査を突破する巧妙な手口も明らかになった。ケガ人などは出なかったからよかったものの、これは、警備体制などはもちろん、握手会ビジネスそのものについて再考すべき重大な事件である。しかし、翌日も欅坂46の個別握手会は幕張メッセで予定通り行われ、これにはファンからも疑問の声が多く出された。
本来であれば、総合プロデューサーとしてなんらかのコメントを出してしかるべき案件であるはずだが、これに対して秋元は、いまにいたるまでなんのコメントも出していない。