極右国家主義思想を隠す小池知事と都民ファーストの卑劣なやり口
都知事になった後も、小池氏はそうした極右思想を捨ててはいない。都知事就任後には、以前、国会議員懇談会の副会長まで務めた日本会議について「ここ数年は距離を置いているが、日本の国益、伝統、歴史は大切にするという点では賛成」と発言。昨年12月1日の所信表明でも「韓国人学校への都有地貸与の撤回」を功績として語り、今年3月16日の都議会予算特別委員会では「グローバル人材の育成の観点からも、国旗や国歌を大切にする心を育むということこそ重要」と言い、都立看護専門学校や首都大学東京での入学式・卒業式において、国旗の掲揚のみならず「国歌斉唱についても行うよう望んでいきたい」と述べた。その結果、この4月に行われた7つの都立看護専門学校の入学式では国歌斉唱が行われた。
冒頭、「日本ファーストの会」という団体名に「在特会の桜井誠が設立した『日本第一党』と同じじゃないか」という声が寄せられていたことを指摘したが、それを気にしないのも当然なのだろう。直接的なヘイトスピーチを避けているだけで、本質の部分は在特会および日本第一党とほとんど共通するからだ。
ようするに、とんでもない極右政党が、オルタナティブ政党の顔をして「自民党の受け皿」になろうとしているのである。
しかも、そうした政治思想を都民ファーストはあきらかにしない。事実、毎日新聞が都議選に当選した議員に対しておこなった「安倍政権の評価」や「憲法改正の賛否」を問うアンケートで、都民ファーストに所属する議員は、ほぼ全員が「無回答」。この背景にあるのは、野田代表が「民間並みの対応」と言う議員の締め付けだ。
現に、都議選前から都民ファーストの候補者には取材制限がかけられ、当選後も事務局の許可が原則必要な状態にあるという。都民ファーストの関係者は毎日新聞の取材に「自由な発言が許されない雰囲気がある。都議が話したことを悪く報道されるのを恐れて守りに入っている」と話しているが、一方、野田代表は「どんな取材を受けるのか本部が把握することは、民間企業なら当然の対応。うちは既存政党よりも確実に情報公開が進んでいる」などと言い募っている。
都政を担う都議が質問に答え、政治信条をあきらかにするのは当たり前、為政者の義務だ。それを民間企業になぞらえて管理・制限することは、責任主体をはっきりさせないばかりか、政治の活発化を妨げるあり得ない話だ。あまりに政治を軽んじているとしか思えない。
小池百合子の野心に側近が極右思想で土台を固める、末恐ろしい実態の政治団体。しかも、この日本ファーストには、民進党を離党した長島昭久や離党届を提出した細野豪志、まだ離党はしていないが柿沢未途ら右派議員の合流も噂されている。とんだ極右の吹き溜まりとしか言いようがないが、これが「自民党の受け皿」となっても、この国の政治は変わるどころか安倍政権の延長でしかないということを覚えておかなくてはならないだろう。
(編集部)
最終更新:2017.12.06 06:42