「な? 中居もう、いい? いい? 飯島さんはどうしてはんの? それだけ言うてくれたら俺引き下がる。もうそれだけ。ともに歩んできた、まあ戦友みたいなもんや。俺からしても。せやろ? どうしてはるかだけ言うとけ。元気でやってますでもいいし」
そのうえで「俺はメリーさん派やからな、どっちかというたら。あの、ホンマに。俺イタリアンレストランでごちそうになったことあんねん」と混ぜ返した。
深夜とはいえ全国ネットで、騒動の根っこ、ジャニーズ事務所が公式に否定している飯島氏VSメリー副社長の派閥抗争があることを公言したのだ。
このように、さんまはすべてギャグにしつつも、SMAP解散騒動のもっとも本質の部分に踏み込み、ファンがいちばん知りたい疑問や求めていることを中居にぶつけた。まさに、さんましかできない芸当だと言えよう。
ただ、このさんまのツッコミは、SMAPファンにとってはちょっと残酷な現実を突きつけることになったかもしれない。というのも、さんまにツッコまれた中居の反応から、SMAP復活がほぼ絶望的であることが、明らかに読み取れたからだ。
中居はさんまから、「なんで歌番組出えへんねん」「歌なんで歌わへんねん」「ファンのために、歌だけは歌ってやってくれ」「いついつレコード出すって言うまで(言い続けるぞ)」と執拗に迫られ続けたが、結局、中居は歌番組も、コンサートも、新曲も、「やる」とは一度たりとも明言しなかった。いつとは言えないけれどいつかは、とすら言わなかった。「大丈夫です」「僕らで相談して決めます」とだけ。ウソでもいいからファンを安心させろと言われても、何一つ先のことを語らなかった。
中居と木村の対立の深刻さも浮き彫りになった。実は、中居はこのさんまとのやりとりで、たった一回だけ、木村の名前を口にしている。それはこんなセリフだった
「なんで僕……僕じゃなくて木村に聞けばいいじゃないですか」
これは、中居たちの立場からすれば解散の危機をつくり出したのはキムタクであって、自分が問われるのは違うという気持ちが出たものではないだろうか。
中居は明らかに、SMAPに対して後ろ向きだった。騒動の際、ファンや国民の反発で事務所はSMAPを解散させられなくなったが、実際はもうSMAPは死んでいること、もとには戻れないことを中居がいちばんわかっているのではないか。そして、本音ではジャニーズに残る意味ももてず、けれども解散しないでほしいというファンの気持ちのためだけに、身動きとれなくなっている、ということではないか。
そして、もっとも気になったのは、飯島マネージャーに話が及んだときのことだ。さんまから「最後に一つだけ聞かせてくれ、飯島さんはどうしてはんの?」と聞かれた中居は、この夜いちばん困ったような顔を見せ、慎重に言葉を選びながら、こう答えた。
「うーん、えー、いま見てるでしょ」
ジャニーズ事務所の手前、はっきりとは言えなかったが、これはいまも「連絡をとっている」ということだろう。これをもって、中居独立の可能性はまだ消えていない、と考えるのは穿ちすぎだろうか。
(時田章広)
最終更新:2017.12.06 06:21