さらに、籠池理事長が「(支払われた有益費の)1億3000万円がうんぬんというよりも、ぐーんと下げていかなあかんよ」と詰め寄ると、池田国有財産統括官はこのように返答している。
「理事長がおっしゃる0円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業を、いま、やっています。だけど1億3000万円を下回る金額にはなりません」
土地価格について、国がすでに森友学園に支払っている有益費1億3176万円を下回ることはできないが、0円にできるだけ近づけるよう努力している──。つまり、この1週間後に決定する土地評価額は、結果的に森友学園にとって「0円に近い金額」になるべくなるよう算出すると、近畿財務局は籠池理事長に語っていたのだ。実際、土地評価額は有益費1億3176万円に近い1億3300万円に決定、差し引きすれば森友側の実質的な支払い額は限りなく0円に近い額となっている。
しかも、証拠はこれだけではない。今度は、昨晩放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)が、2016年3月30日に籠池夫妻と森友学園の弁護士、設計会社、施工会社の4社で打ち合わせをおこなった際のメモをスクープしたのだ。
このメモでは、同月に見つかったという新たなゴミについて、国側とどのように交渉を進めていくのかが議題となっているのだが、そこではすでに近畿財務局が、国有地を森友学園がなるべく安い価格で手に入れられるようにと動いていたことが記されていたのである。
〈できる限り低い金額で買い取りたい→航空局も同意〉
〈航空局・財務局→彼らのストーリー
調査ではわからなかった内容で瑕疵を見つけていくことで価値を下げていきたい〉
〈9mの深さまで何か出てくるという報告を(するよう)、財務局から学園サイドに言われている〉
昨年3月の時点で、近畿財務局も、ゴミの撤去費用を見積もった大阪航空局も、売却価格を低くするという認識をもち、森友側に伝えていたのである。このメモが示す事実は、土地の売却価格を安くすることはすでに決まっており、「売却価格ありき」で、それにあわせてゴミの撤去費用を見積もったということだ。
ここで思い返さなくてはならないのは、国会での答弁だ。財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)は、3月15日の衆院財務金融委員会ではっきりこう口にしている。