鶴保大臣の資産隠しは“確信犯”、改めて問われる安倍首相の任命責任
「しんぶん赤旗では、問題の会社の本店とされる所在地を確認し、その実態がないことなども取材しているようです。また世田谷の物件も賃貸に出されているようですが、そもそも資産公開していないのですから、その家賃収入の申告がどうなっているのか。これがきっかけで新たな疑惑に発展する可能性もある。こうしたスキャンダルが浮上したことで、内閣残留は絶望的になったといわれています」(大手紙政治部記者)
鶴保氏は2016年の資産公開で自己所有の和歌山や都内のタワーマンションを資産公開しなかったことが問題とされたが、にもかかわらず今回明らかになったような“資産隠し”を続けていたのだから、これは確信犯と言っていい。
鶴保氏は1998年の初当選以降、公選挙法違反や年金未納問題、地元建設会社からの献金問題、そして度重なるスピード違反など、議員として以前に、そもそも法令遵守の意識が欠如しているとしか思えない。
しかし、だとしたら、改めて問われるのは、こんな人物を沖縄北方担当相という重要な閣僚に抜擢し、米軍基地に自然や土地を奪われている沖縄の人たちの対応に当たらせていた安倍首相の任命責任だ。
安倍首相というのはいったいどういうセンスで閣僚を人選しているのか。おそらく、それはよくいわれる“安倍一強のゆるみ”というようなレベルではなく、もっと本質的なものだ。安倍首相は政治家としての倫理、公共に資する姿勢などになんの興味もなく、たんに自分の味方かどうか、同じ右翼思想をもっているかどうか、それだけでしか人を見ることができない。だからこんな人選がまかりとおってしまうのだろう。
そして、この本質は“支持率を下げないために手堅い人選でいくだろう”などといわれている今度の内閣改造でもそう変わらないのではないか。死に体となりつつある安倍政権で、またぞろトンデモ大臣が大量に誕生しないことを祈るばかりだ。
(編集部)
最終更新:2017.08.02 07:58