TOKYO MX公式HPより
「言論の自由」を番組テーマに掲げ、いまやTOKYO MXの看板番組ともなった『5時に夢中!』。
マツコ・デラックスやミッツ・マングローブといった毒舌タレントをテレビの世界に引っ張り出した番組としても知られており、もしも『5時に夢中!』という番組が存在しなかったら、いまのテレビ業界の分布図はまったく違うものになっていただろうとも評されている。
そんな『5時に夢中!』の立ち上げプロデューサーである大川貴史氏がTOKYO MXの制作局長に昇進。「TV Bros.」(東京ニュース通信社)2017年7月15日号には、出世を記念しての大川氏へのインタビューが掲載されているのだが、それを読んでみると、「言論の自由」を掲げる番組のトップとは思えぬ、いささか残念な発言のオンパレードなのであった。大川氏はこのように語る。
「若い頃は純粋で、クリアで、そのものズバリ核心を突いてどうにかしようとするけど、でもそれでは変えられない。だから俺は社会正義を持って、忖度しないと生きていけないなら、忖度もするガハハ」
「結局さ、ルールに則っていないとやりたいこともできないんだよ。若い頃はこのルールを知らなかった。今なら知ってる…とは言い切れないけど、なんとなく感じることができるようになった」
この発言だけでもう「変わっちまったな……」といった感じだが、大川氏の発言はまだまだ止まらない。
『5時に夢中!』の魅力といえば、下世話さだ。他のワイドショーであればそもそも取り扱わなかったり、取り扱ってもコメンテーターは穏便な発言で済ませるようなゴシップネタにも、『5時に夢中!』は堂々と斬り込んでいく。そこだけは変わらないでほしかったのだが、大川氏はこのように語っている。
「そもそもアグレッシブさって何だ?って話なんだよ。安易なゴシップに首を突っ込んでいた人たちもみんなそれぞれ大人になるわけで、ゴシップだけが楽しいとはならなくなるよね」
「周囲を取り巻く状況も変わっていく中で、自分の考えも、求められることも変わっていくし、それにだんだんできることと、できないことがわかってくる。悲しいかな、分別がついちゃう」
「背負ってるものも、12年前とは全然違うんだもの。これで食ってる人だっているんだから。今の自分は『番組が明日からなくなっていーや』にはならない。長く続けていくことに意味を感じている」