さらにその後、安倍首相が「規制改革推進の立場から速やかに全国展開を目指す」などと言い出すと、山本地方創生相も閉会中審査で「全国展開するのは原則。総理は原則に従って言っただけ」などと答弁。当初の「広域的に獣医学部のない地域に限り新設を認める」という話はなんだったのか、担当大臣として完全に意味不明としか言いようがない。
また、おなじく閉会中審査では、獣医師の需給が明らかでないのに押し切ったことを追及され「需給の数とか量をはっきり示すのは無理」と逆ギレ。それでいて、閉会中審査後に記者から「国民に丁寧に説明できたか」と質問され「私はそう思っている」などとのたまった。
ちなみに、安倍首相と山本地方創生相の無茶苦茶な「速やかに全国展開」発言について、前川喜平・前文科事務次官は“今治での成果をきちんと評価しなければならないが、学部から卒業生が出るのに6年、研究者を養成する大学院をつくるのならばさらに年数がかかり、少なくとも10年は必要”と、いかに安倍首相らの発言が現実を度外視しているかを論理的に説明していた。
いずれにせよ、矛盾だらけのトンデモ答弁を繰り返し、真相解明には程遠いにもかかわらず「国民に丁寧に説明した」などと言ってのける山本地方創生相が、今回、新証言が報じられた圧力事件についても、誠実な対応をとるとは到底思えないのだ。
しかし、これだけは確かに言える。もちろんメディアの追及は必要不可欠だが、もしも山本地方創生相が昨年時のように逃げ切れると考えているのなら、あまりにも舐めすぎだ。
繰り返しになるが、森友問題と加計問題は、確実に国民のマインドを変えた。安倍政権の周辺や利害を共有する友人・知人たちだけがうまい汁を吸う、そんな安倍政治が不公平であることを、多くの人たちが実感したのだ。
その怒りは、支持率として表れている。何度でも言うが、安倍政権は国民を甘く見ないほうがいい。
(編集部)
最終更新:2017.12.05 07:46