内調が政治部記者に詩織さんと民進党の関係をこじつけるチャート図を
実は、詩織さんが検察審査会に不服申し立てをして、司法記者クラブで記者会見を行った直後から、ネット上では「詩織さんは民進党の回し者」なる風評が飛び交っていた。記者会見が行われたのは5月29日夕方だが、本サイトで確認できたところでは、まず21時40分には2ちゃんねるの「ニュース速報+板」に詩織さんと詩織さんの弁護士と民進党の山尾志桜里議員の関係をこじつけ、詩織さんを「民進党関係者」だとする情報が投下、22時23分には悪質まとめサイト「保守速報」にまとめられ、ツイッターなどにも拡散された。さらに半日もたたない30日午前3時25分には、2ちゃんねるの「ニュース速報板」に、その詩織さんを「民進党関係者」だとする情報をチャート化した図の画像がアップされていた。そして、このチャート図もすぐさまツイッターに伝播、複数ネトウヨ系まとめサイトが拡散に関与していた。
チャート図では、次期衆院選に民進党から立候補する予定の人物が、民進党の山尾志桜里議員の夫の同級生であるとしたうえで、この人物が弁護士事務所の代表を務めており、その部下が詩織さんの弁護士の一人だとしている。
一見してわかるとおり、完全なこじつけであり、だからなに?としか言いようがないシロモノだ。「週刊新潮」も書いているが、実際には、詩織さんはこの弁護人をたまたま紹介されただけにすぎないし、詩織さんから相談を受けていた清水潔記者が先日、ラジオで証言していたように、詩織さんは2年前の事件直後から山口氏を告発していた。
ようは、このチャート図を作成した人物は、詩織さんと民進党の「関係」をこじつけて、あたかも裏で民進党が手を引いているよう印象操作をしようとしたのだろう。
ところが「週刊新潮」によれば、実はこの低レベルな“謀略チャート図”は内調が流したものらしいのだ。記事では〈本誌が山口氏の問題を取り上げ、それから詩織さんが記者会見をする5月29日より少し前のこと。政治部のある記者は、知り合いの内調職員から右下の図を受け取った〉としてチャート図を紹介している。正確には、このチャート図自体は詩織さんの会見写真が入っているため、会見後に作成されたものと考えられるのだが、内調が“こじつけの関係”を記した類似のペーパーを政治部記者に渡していたのはたしかだ。
というのも、本サイトのもとにも会見前と会見後に「内調が詩織さんに対するカウンター情報をふれまわっている」という情報が届いていたからだ。内調は事前に関係を解説した資料を配布し、会見後、さらにそれを写真入りのチャート図に更新して配布したのかもしれない。
しかし、だとしたら、気になるのが、同種の情報が前述したように、詩織さんの会見のわずか数時間後、29日の21時台に2ちゃんねるに投稿されていたことだ。この早さを考えると、内調が直接、投下した可能性も考えられるのではないか。マスコミにリークするとともに、タイミングを計ってネトウヨがたむろする2ちゃんねるにも投稿した──。